エイチ・ツー・オー リテイリング(大阪府/荒木直也社長:以下、H2O)傘下のイズミヤ(大阪府)は昨春、総合スーパー(GMS)企業から食品スーパー(SM)企業に生まれ変わった。これに伴い、新たな店づくりに取り組むほか、改革に取り組んでいる。今後、どのような戦略で事業展開するのか、梅本友之社長に聞いた。
品揃え、売場づくりは広域型から小商圏型に
──長らくGMS企業として親しまれてきましたが、昨春、SM企業として再スタートを切っています。
梅本 2020年4月、H2Oが当時掲げていた中期経営計画のもと事業再編が行われました。イズミヤは食品に特化するSM運営会社となり、そのほかの事業は日用品販売会社、商業施設運営会社に分割しました。
このうち日用品販売会社として、ドラッグストア企業のココカラファイン(神奈川県/塚本厚志社長)とH2Oによる合弁会社であるCFIZ(大阪府/中山和亮社長)を設立。さらに、イズミヤから商業施設運営事業と、衣料品・住居関連品販売事業を継承した新会社、エイチ・ツー・オー商業開発(大阪府/黒松弘育社長)と、3つの新しい会社が発足しています。
私は20年1月にイズミヤの社長に就任しました。GMS全盛時代にイズミヤで育った私にとっては時代の潮流を深く感じます。
──SM専業となり事業を展開する上で方針に変化はありますか。
梅本 GMS業態においては、衣食住それぞれの役割がある中で、週末を中心に広域から来店いただくための販促、オペレーションを展開してきました。しかしSMでは、500m~1㎞の小商圏から日々お買物に来ていただくためのきめ細かい対応が重要と考えています。当然、品揃えや売場展開、販促、店舗オペレーションの施策や方針は似て非なるものがあります。
──この1年はコロナ禍の影響がありました。どのように振り返りますか。
梅本 消費者の購買行動が大きく変わったことを実感しています。内食化が進み、生鮮素材や調味料がよく売れている一方で、お客さまが来店される時間帯が大きく変化しています。時間帯別売上高を見ると、19時までは対前年比10%増と大きく伸びる傾向がある一方、19時から22時は大きく落ち込むケースも珍しくありません。コロナ禍で生活スタイル、購買行動が一変したことは間違いありません。
生活スタイルが一変するなか、当社では
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