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収益の柱を見直す!鳥貴族のバーガー事業参入から学べること

こんにちは、成田直人です。先日、飲食業界でビッグニュースが飛び出しました。なんと、私も月に1回は行っていた「鳥貴族」が、居酒屋事業苦戦のため、鳥貴族と同じく国産の食材のみを使用し、宅配やテイクアウトなどにも対応するチキンバーガー専門店の開発に着手するとのこと。その名も「TORIKI BURGER(トリキバーガー)」。今回は、鳥貴族のバーガー事業への参入から学べることについてお話しします。

苦境の中、果敢に新業態を出す鳥貴族に学べることとは

苦境は第二の事業を立ち上げるチャンス

 鳥貴族のニュースを見てあなたは何を思いましたか?結果的にうまくいくかどうかは、これからの鳥貴族の本気度(マーケットを奪取するまでやり続ける覚悟)と顧客の反応次第ですが、私は「さすが!」と感じました。これは、コロナ禍で落ち込んだ既存事業を最大限改善しながら、危機をきっかけにもう一つの主軸事業をつくり上げようとテイクアウト・宅配中心の業態を構築するという柔軟な姿勢の好例です。まさに自分たちにできることを追求しているからこそ生まれたアイデアですし、これまで維持していた国産鶏へのこだわりを新規事業に生かすことができたのだと実感しています。

 これを自分に置き換えるとしたらどうでしょうか。「新しいことを始めるのは大変だ」「そんな経営資源はない」などできない理由を並べ立ててウダウダ…。結果的にいまだに事業転換できずにいるのは私だけかもしれませんが、あなたはいかがでしょうか。「私もだなぁ」と思った人がいましたら、今回のトリキバーガーのニュースから学べることはたくさんあります。

 たとえば、あなたがホームセンターを経営(運営)しているとします。当社のクライアントはすでにテスト的に実施していますが、鳥貴族から学べる第二の主軸事業構築案として、「5000円以上購入したら自宅に無料でお届けする」というような非来店型のオンラインサービスを実施してもよいかもしれませんね。

 こうしたサービスはスーパーマーケットではすでに普及しつつありますが、ホームセンター業界ではそこまで浸透していません。購入した商品を駐車場に停めた自動車まで運んでくれるサービスはありますが、まだまだオンライン化が進んでいない業界ですので、今から準備しておくのはアリだと思います。

 ほかにも、アパレル店であれば「LINE」で店舗スタッフに直接ファッション相談ができ、そのまま代引きもしくはクレジットカードで店舗の商品が購入できるというのも面白いかもしれません。

 

時代の流れに柔軟に適応することが必要

 当社は店舗向けコンサルティングや教育研修が主なサービスですが、コロナ禍で対面での実施がなくなったためオンライン移行が一気に進みました。オンライン会議ツールの「zoom」は絶好調ですよね。「オンラインとオフラインはやっぱり伝わるものが違う」と言っていた自分が情けなくなりました。

 こういう状況だからこそ、オンラインだから伝わるものを見つけるべきですし、時間がある今のうちにしっかりと事業を構築して収益の第二の柱にすべきだと心底思いました。現状維持のまま、緊急事態宣言が終わっていつも通りの生活(収益)に戻ってくれることを期待するだけでは何も変わりません。

 これからの時代は顧客の価値観がコロコロ変わり、商品やサービスの購入形態も多岐に渡ります。これまでのチラシを見て来店するという購買行動だけでなく、グーグルで口コミを確認し、ホームページを見て来店するかどうかを決めるという新しい購買行動も生まれました。また、SNSで話題になることで購入してもらえたり、突然バズってバカ売れしたり…。先が読みにくい時代だからこそ、時代の流れに柔軟に適応できる企業が強いのです。

スピードと柔軟性が鳥貴族の強み

 鳥貴族はまさにそういった企業の1つです。「焼鳥はテイクアウト・宅配に向いていないから仕方がない」で終わらせずに、「宅配・テイクアウトに特化した事業をつくればよい」と次なる商材を見つけ、すぐに市場投下するスピードと柔軟性は素晴らしい。中小企業は大手企業ほど決裁に時間がかからないため、スピードでは優位性があるはずですが、鳥貴族のように動きが早い大手企業もいます。

 この連載をご覧いただいている方の中には大手企業の方もいらっしゃるかもしれませんが、大多数は中小企業に属しているでしょう。私も今回の鳥貴族のニュースを読んで「顧客の価値観を理解しスピードを持って商品化する!」という一連のプロセスを磨くことに決めました。ぜひあなたもこのニュースから学び実践していきましょう。

 

なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。