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「サミット西荻窪駅南店」がオープン  小型店と感じさせない総菜売場がスゴイ!

 3月3日、サミット(東京都/服部哲也社長)が「サミットストア西荻窪駅南店」(東京都杉並区:以下、西荻窪駅南店)をオープンした。
 同店の売場面積は238坪で、近年サミットが積極的に出店をしている都市型小型店だ。売場面積が狭いことに加えて建物構造は2層で、服部社長が「当社で最も変則的なかたちをした店」と言うほど、店づくりのうえで制約が多い店といえる。そうしたなかサミットはこれまでの小型店開発のノウハウを生かし年商19億円を稼ぐ店づくりに挑戦している。

3月3日にオープンした「サミットストア西荻窪駅南店」

2層の小型店開発のノウハウを蓄積

 西荻窪駅南店は、JR中央線・総武線「西荻窪」駅南口から徒歩2分の場所にある、地上11階建て新築マンションの1・2階に入る。

 サミットは近年、売場面積約300坪の「三田店」(東京都港区:18年11月開業)や同278坪の「鍋屋横丁店」(東京都中野区:19年3月開業)など、都市型小型店でかつ2層構造の店舗の出店を重ねてきた。 

 西荻窪駅南店はこれまでの2層構造の都市型小型店のなかでも売場面積は238坪と狭小で、かつ変則的な形状をしている(下記レイアウト参照)。同店はこうした難しい物件状況でありながら、売上を最大化するべくさまざまな工夫を施しているのが特徴だ。

西荻窪駅南店のレイアウト図

総菜・ベーカリーは 約400品目を販売!

西荻窪駅南店の総菜・ベーカリー売場

 西荻窪駅南店でとくに注目したいのが、1階の総菜・ベーカリー売場だ。小型店でありながらそれを感じさせない売場、品揃えを実現している。

 品揃えは、総菜は約320品目、ベーカリーは約60品目と、標準店並みのラインアップで、そのほとんどを店内調理で提供する。

 これを実現するべく、バックヤードには総菜売場と大きく変わらない広さの調理スペースを設けた。壁面には天井まで高さのあるガラス窓を採用し、売場から調理シーンが見えるようにすることで、店内で手づくりしている点をアピールする。売上高構成比は総菜部門13.1%、ベーカリー部門3.9%の計17%に設定する

総菜売場と大きく変わらない広さの調理スペースを設けた。大きなガラス窓を採用し、調理シーンが売場から見えるようにしている

 同店の大きな試みは、店頭で扱う素材を店内加工する「生鮮総菜」も総菜売場で販売していることだ。通常は青果・鮮魚・精肉のそれぞれの部門で陳列しているが、同店では2階の生鮮売場でのスペース確保が難しいという理由のほか、総菜売場の魅力をより打ち出すために1階に集約した。

 なかでも青果部門が製造する「フレッシュサラダ・カットフルーツ」コーナーは出入口すぐの場所に配置し、鮮度感を訴求できるようにしている。

出入口すぐの場所に設置した「フレッシュサラダ・カットフルーツ」コーナー

什器の設計も工夫し売場の魅力をアップ!

 西荻窪駅南店では、総菜・ベーカリー売場を魅力的に演出するために什器の設計にもこだわっている。

 たとえばベーカリーでは、什器の側面に透明の素材を使用。隣の什器の商品も入口側から見えるようにすることで、変則な形状かつ小型の店でも、空間の広がりや品揃えの充実ぶりを視覚的に訴えられるようにしている。

側面に透明の素材を使用したベーカリーの什器

 また、西荻窪駅南店は売場の広さが限られるぶん、陳列棚の段数を多くして商品を並べる必要がある。そうしたなか上段の棚には傾斜をつけることで、来店客から商品の“顔”が見えるようにしている。

陳列棚の上段には傾斜をつけて、来店客から商品の“顔”が見えるようにしている

 実際に店舗を取材して感じたのは、サミットの都市型小型店の進化だ。売場面積が約240坪とは思えないほど食品スーパーとして高い機能を提供している。
 服部社長は「今後、都心部へ出店するうえでこうした変則的な形状の物件への出店は避けてとおれない。同店を軌道にのせることで新たな出店機会の獲得につなげていきたい」と語っている。

【サミットストア西荻窪駅南店 店舗概要】
所在地   東京都杉並区西荻南 3 -8 – 17
営業時間  9:00 ~ 23:00
売場面積  788㎡
従業員数  正社員22.5人、パートタイム・アルバイト74.4人(月173時間換算)
年商目標  19億円