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かつての同業は総苦戦 スクロール鶴見知久社長が語るカタログ通販の収益性向上策とEC戦略

さらなるEC市場の成長と競争激化が予想されるなかスクロールは今後、具体的にどのような成長戦略を描くのか。足元の事業動向を含めて、鶴見知久社長に聞いた。

売上主義からの脱却でカタログ通販の収益性向上

──連結業績を見ると、ここ数年で営業利益率が着実に高まっています。17年3月期は2.1%でしたが20年3月期には3%まで向上しました。

鶴見 知久(つるみ・ともひさ)
●1966年5月11日生まれ。1989年4月、ムトウ(現スクロール)入社後、執行役員ダイレクト事業本部通販インナー統括部長、グループ会社豆腐の盛田屋の社長を経て、2013年5月、スクロール取締役執行役員、15年5月より取締役社長、20年4月から現職

鶴見 主力の通販事業の粗利益率向上が大きな要因です。その背景には17年から進めた、“売上至上主義”からの脱却があります。同事業では13年をピークに、以降はカタログの発行部数やページ数を増やしてもそれに見合う売上の獲得が難しくなりました。そこで、カタログの企画やページ数を絞り込んで支持の高い商品を中心に訴求し、在庫も低減する工夫を始めました。それらの成果が業績に表れています。

──新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大の業績への影響を教えてください。

鶴見 21年3月期上期は、外出自粛生活によって「旅行事業」や、化粧品を中心に「健粧品事業」が落ち込みましたが、全体的にはEC需要増の特需を受け、グループ売上高は同14.3%増と大きく伸長しました。

 通販事業については、中国での感染拡大を見越して商品の生産拠点をASEAN地域に移したところ、同地域でも都市封鎖が始まってしまい、4月は商品供給に支障がでました。しかしその後は状況が落ち着き、生協宅配の利用増により5月以降の売上は好調に推移しています。

 eコマース事業は、海外ブランド雑貨は落ち込んだ一方、自宅で過ごす時間が増えたことでインテリア・家具類が、また緊急事態宣言後は釣り用具をはじめアウトドア用品がよく売れ、上期全体では対前年同期比で約10%の伸長を遂げています。

 ソリューション事業についても、顧客である通販業者の出荷量が拡大したことで業績が伸びています。

──通販事業では今後の戦略をいかに描いていますか。

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