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生産者を支援する制度も 厳格な安全基準設けた青果で差別化する隠れたスゴイ生協

生協宅配大

栃木県・茨城県・群馬県の北関東3県で宅配事業を展開するよつ葉生活協同組合(栃木県/中田秀治専務理事:以下、よつ葉生協)は、組合員数約2万5000人、供給高約39億円と規模としては小さい生協である。しかしながら、独自の高い安全基準をクリアした商品の販売や、地場の青果を収穫翌日には組合員宅に届けられる配送体制で、独自の存在感を発揮している。

生産農家と連携して安全性の高い商品を提供

専務理事の中田秀治氏(上)と渉外担当理事の和久井克孝氏(下)

 よつ葉生協は「いのちと健康 くらしを守る」を理念に掲げる。その方針どおり、1982年の設立当初から化学合成農薬や食品添加物、合成洗剤などの問題に目を向け、健康や地球環境に配慮した商品の提供を徹底して追求してきた。

 よつ葉生協では商品に独自の安全基準を設けている。この基準では「予防原則」という考え方を採用している。渉外担当理事の和久井克孝氏は「栽培時に使用された農薬や、原材料の安全性が疑問視される商品は導入せず、健康や環境への被害を予防できるようにしている」と説明する。

 このように厳格な安全基準があるため、毎週の基本カタログに掲載する取扱品目数は約700と、ほかの地域生協と比較して圧倒的に少ない。日本生活協同組合連合会(東京都)のプライベートブランド「コープ商品」の扱いも一部のみである。

 高い安全基準を満たす商品の品揃えを広げられるように、よつ葉生協は生産者と積極的に連携を図っている。近年、熱心に取り組んでいるのは「ネオニコチノイド系農薬」を使用しない農作物の生産者を支援する運動だ。

 同農薬は浸透性や残効性が高いことから人体や生態系への影響が懸念されており、世界的に使用禁止の動きが広まっている。よつ葉生協が同運動をスタートしたのは2011年。東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故が発生し、よつ葉生協でも取り扱う農産物の放射性物質汚染が問題視されたことを受け、商品の安全性を再度見直したことがきっかけだった。

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