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2社が営業利益100億円突破!コロナで明暗、上場ドラッグストア8社 21年2月期1Q決算

2月期・3月期決算の上場ドラッグストア(DgS)企業8社の第1四半期業績が出揃った。8社中6社が増収増益、そのうち4社は2ケタ増収となった。営業利益は8社中6社が2ケタ増益となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた格好だ。

大幅営業増益決算が続出!

 ウエルシアホールディングス(東京都)の20212月期第1四半期業績は、売上高は対前期比10.5%増の2325億円、営業利益は同29.4 %増の105億円だった。調剤は受診抑制のなか⾧期処方増加の影響により計画未達ながらも、感染症予防対策商品や食品等の需要増により物販が大きく増加。既存店売上高は同6.4%増と好調だった。販売費及び一般管理費(販管費)はチラシ販促の自粛や人時コントロールを実施し計画内に収め、大幅な営業増益につながった。

 サンドラッグ(東京都)も2ケタ増収増益だった。同社の213月期第1四半期業績は、売上高は同2.9%増の1568億円、営業利益は同12.0%増の107億円だった。DgS事業の売上高は同2.5%減の1039億円、営業利益は同3.0%増の73億円とやや苦戦したものの、ディスカウントストア事業の売上高は同13.7%増の634億円、営業利益は同39.3%増の33億円となり、全体の営業増益をけん引した格好だ。

 スギホールディングス(愛知県)も好調だ。同社の212月期第1四半期業績は、売上高は同16.3%増の1499億円、営業利益は同20.8%増の89億円だった。既存店売上高は、「スギ薬局」物販が同8.8%増、「調剤」が同7.4%増、「ジャパン」が同10.2%増となった。売上総利益は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療機関への受診回数の減少により、調剤部門での利益率は下げたものの、物販部門での販売方法、売価の見直しや高付加価値商品の販売強化を継続した結果、同16.2%増となり、大幅営業増益につながった。

 このほか、カワチ薬品(栃木県)、キリン堂ホールディングス(大阪府)、薬王堂ホールディングス(岩手県)も増収増益だった。

 

マツキヨ、ココカラは減収減益

 2月期・3月期決算の上場DgS企業8社のうち、減収減益となったのはマツモトキヨシホールディングス(千葉県:以下、マツモトキヨシHD)とココカラファイン(神奈川県)の2社だった。

 マツモトキヨシHD213月期第1四半期業績は、売上高は同9.8%減の1316億円、営業利益は同38.9%減の56億円。ココカラファインの213月期第1四半期業績は、売上高は同7.6%減の945億円、営業利益は同39.5%減の17億円となった。両社ともに収益の多くを稼ぎ出す繁華街や都心店舗が新型コロナウイルス感染拡大の影響により苦戦。出入国制限等の影響によりインバウンド売上高もわずかなものになった。ただ、両社ともに既存店売上高対前年同月比のマイナス幅は徐々に縮まってきている。

 新型コロナウイルス感染拡大はいまだ収束の気配が見えない。2月期・3月期決算の上場DgS企業の第2四半期業績もその影響が色濃く出そうだ。