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ホンダ初の量産EV「e」今秋国内発売、「街乗りスマホ」で勝負

ホンダ初の量産EV「e」では、マホでエアコンなどを操作でき、AI(人工知能)を用いたコネクテッド技術で情報サービスなども提供する
8月27日、ホンダは、同社初の量産型電気自動車(EV)「Honda e」を日本で10月30日に発売すると発表した。写真は栃木県芳賀町のホンダ関連施設で24日、量産型電気自動車(EV)「Honda e」のスマホアプリのデモンストレーションを行う社員(2020年 ロイター/Maki Shiraki)

[東京 27日 ロイター] – ホンダは27日、同社初の量産型電気自動車(EV)「Honda e」(以下e)を日本で10月30日に発売すると発表した。都市部での使用に特化した4人乗り小型車で、小回りの良さなどが特徴。27日からレンタカーサービスの車両としても導入する。先進技術を搭載したeを欧州に続いて日本でも投入し、ブランド力向上を図る。

先行する日産自動車などのEVでは、コストを抑えつつ、いかに航続距離を延ばせるかが注目されてきたが、eでは航続距離よりも街乗りに適した車体の小型化、最先端技術の搭載を優先した。eの航続距離は約283キロ(WLTCモード、バッテリー容量は35.5kWh)。日産「リーフ」の458キロ(62kWh)、米テスラ「モデル3」の409キロ(55kWh)などと比べると短いが、30分急速充電すれば約200キロ走行できる。

開発責任者の一瀬智史氏は、他社のEVは「ガソリン車の価値をそのままEV化しようとしてきた」ためガソリン車並みに走れるようバッテリーを多く積み、車体も大きいと指摘。eは街乗り専用にバッテリーも車体も小型化し、車と街・家などがネットで有機的につながる「未来の先進技術を詰め込んだ車」に仕上げたと説明。「(他社EVのような)大きくて見やすいタブレットよりも、いつもポケットに入れて気楽に使える『スマートフォン』を目指した」と述べた。

eの全長は4メートル未満で、後輪駆動のEV専用プラットフォームを採用。最小回転半径は4.3メートルで、4.5メートルのホンダの軽自動車より小さい。約6メートルの片側1車線道路でもUターンできる。量産車で世界初の5画面を横に並べたインストルメントパネル、サイドカメラによる電子ミラーシステムを採用し、170万画素のカメラで捉えた映像を車内のインパネの左右にあるモニターに映す。スマホでエアコンなどを操作でき、AI(人工知能)を用いたコネクテッド技術で情報サービスなども提供する。

年間販売計画は日本で1000台、欧州で約1万台。2モデル用意し、国内での販売価格は451万円と495万円で、リーフなどとほぼ同じ価格帯。商品企画課チーフの河津健男氏によると、eは量を追わずにホンダが描く「未来の車を発信するモデル」と位置付け、「ガソリン車をすでに持ち、2台目に購入する顧客」を想定する。バッテリーはパナソニック製。車両は埼玉県の寄居工場で生産する。eの開発は欧州で来年から厳格化される環境規制「CAFE(企業平均燃費)」対応として始まり、欧州では8月から発売している。中国や北米での投入は計画していない。