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「バイヤー必見!今行くべき専門店」第8回  人気の高まる中華総菜で差別化! 参考になる店3選

時代のニーズに対応するべく食品スーパー各社が開発に注力する総菜部門。そうしたなか最近、メニューの広がりを見せるのが中華総菜だ。日本人にすでに馴染みが深く、かつ家庭でつくるにはひと手間かかるメニューが多いため、総菜としての人気が高まっている。そこで今回は、メニュー開発の参考にしたい中華メニューを提供する専門店を紹介する。

 ※新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、営業日時を変更している場合があります。詳細は、各店舗のホームページや公式SNSでご確認ください。

差別化を図るのが
困難なジャンル

 中華といえば、すでに日本人にとって馴染み深い料理ジャンルの1つです。

 餃子やラーメン、八宝菜や酢豚の定食など低価格なスタイルから、フカヒレや北京ダックなどの高級店まで、外食の業態も幅広くあります。また、外食のみならず中食や内食など、さまざまなシーンで気軽に楽しめるため、今や国民食といっても過言ではないメニューも数多く存在しています。 

 一方で、差別化することが困難なジャンルであることも事実です。「出来たて」にこだわるメニューが多く、流通小売業界の商品開発においても特徴の出しにくいジャンルなのではないでしょうか。今回はそうしたなかでも、参考になるメニューを提供しているお店を紹介します。

①「パリッ」とした皮が特徴の
餃子専門店「えびすの安兵衛」

東京都・恵比寿で営業する「えびすの安兵衛」

 餃子は、中華のなかでもとくに日本人に親しまれているメニューです。

 こちらのお店は高知県で夜な夜な行列をつくるほど人気の屋台スタイルの餃子専門店が、東京に出店している店舗です。東京ではほかに目黒にも店を構えています。

 同店の看板商品の1つである「屋台餃子」は、外側の皮はパリッと、中身の具はジューシーなのが特徴です。

 食品スーパーの餃子は、どちらかと言えば食感はしっとりとしたものが多いように感じます。もちろんそれも十分に美味しいのですが、そのなかで「パリッ」とした食感を打ち出す餃子を提案すれば、差別化につながるのではないでしょうか。

 また同店ではピーマンのおつまみなど、餃子がいくらでも食べられるような箸休めも秀逸です。食品スーパーでも、餃子に合うおつまみメニューを販売するのも面白いかも知れません。

薄くパリッとした食感の皮が特徴。小ぶりで女性にも食べやすい大きさだ

 「えびすの安兵衛」
所在地   東京都渋谷区恵比寿4-9-15 萩原ビル 1F
営業時間   16:00~25:00 
定休日   なし

②「一点特化」で支持される
名物中華を体感しよう!「火鍋 三田」

 

東京都港区に店を構える「火鍋 三田」

 こちらのお店は、本格的な四川火鍋が楽しめる専門店で、使用する薬膳などは実際に中国・四川省から直接買い付け提供しています。

 一点特化型の専門店は、飲食業界の勝ち筋の1つと言えます。1品のブランディングが確立されているからこそ成り立つもので、食品スーパーでも何か1品、そのような名物商品をつくることができれば非常に強みとなるでしょう。

 「火鍋」と言えば、2つのスープの配合を自分好みにアレンジするなど、カスタマイズできることも魅力です。総菜においても、単に持ち帰って食べるだけではなく、「ちょい足し」「ちょいアレンジ」などを提案するのも、お客さまに好まれるのではないでしょうか。

本場四川省の食材を使用した薬膳火鍋が味わえる


店舗名   「火鍋 三田」
所在地   東京都港区三田5-4-6 トリニティハウス三田 101
営業時間  17:30~23:30
定休日   不定休

③珍しい中国の郷土料理と
中国酒に出会える!「黒猫夜」

本格的な中国の郷土料理が楽しめるお店「黒猫夜」。落ち着いた隠れ家のような雰囲気も魅力だ

 こちらは、東京・銀座、赤坂、六本木に店舗を展開する本格的な中国の郷土料理が楽しめるお店です。鴨舌の炒め物や、羊のつくねなど珍しい食材を使用した料理に出会えます。

 また、中国酒が充実していることも人気の秘訣。18種の中国酒を全種類飲み比べできる「スーパー利き酒」や、シャンパンタワーのような「紹興酒タワー」なるものも提供しています。料理での差別化だけではなく、中華ならではのお酒の楽しみ方を提案するのも良いかも知れません。

鴨舌など珍しい食材を使った本格的な中国の郷土料理が味わえる

店舗名   「黒猫夜 銀座店」
所在地    東京都中央区銀座 7-8-15 第二新橋会館 8F
営業時間   18:00~23:30、土日 17:00~21:30
定休日    祝日

 

「ホットペッパーグルメ外食総研」上席研究員
有木 真理(ありき・まり)

リクルートライフスタイル沖縄の代表を務めると共に、ホットペッパーグルメ外食総研の上席研究員として、食のトレンドや食文化の発信により、外食文化の醸成や更なる外食機会の創出を目指す。自身の年間外食回数300日以上。ジャンルは立ち飲み~高級店まで多岐にわたる。趣味はトライアスロン。胃腸の強さがうりで1日5食くらいは平気で食べることができる。「ホットペッパーグルメ外食総研」https://www.hotpepper.jp/ggs/