食品スーパー(SM)、バローの総菜売場を運営するほか、専門店事業なども手掛ける中部フーズ(岐阜県/纐こう纈けつ直孝社長)。1品当たりの売上高が大きい「強い商品」の育成に努めており、ここ数年は着実に成果を出している。今後、新たな価値を提供できる商品の開発にも力を入れ、さらなる事業拡大をめざす考えだ。
明確な「価値の定義」とは
東海エリアを基盤に北陸、近畿、甲信地方でSMを展開するバロー。その総菜部門の運営を手掛けるのが中部フーズである。ほかにも総菜専門店の「デリカキッチン」、多様なおにぎりを提供する「にぎりたて」といった専門店を運営し、またバローのインストアベーカリー向けの生地製造も行っている。
近年の業績の推移に目を向けると、ここ5年の売上高は2019年3月期が270億100万円、20年3月期は272億円7400万円、21年3月期は285億700万円、22年3月期は309億2700万円、23年3月期は327億6800万円と右肩上がりで推移。コロナ禍以前の19年3月期と比較すると、前期は21.36%増と大きく伸長している計算だ。
とくに主力の総菜事業は、コロナ禍を経て、毎年、着実に成長を続けている。同社が総菜事業でテーマに掲げるのは「価値で選ばれる、温かいを売る」。その「価値」についてもあいまいなものではなく、「(品質×機能×楽しさ)÷価格」と明確に定義している。つまり分子に対し、分母の価格が求めやすい、また価格に対し、分子がそれ以上に大きくなるような総菜の提供を進めている。
「セルフサービスを前提にしているため、店内で仕上げても時間がたてば冷めてしまう。とはいえビジネスモデル上、セルフサービスをやめるわけにはいかない。その制約の中で
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