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「顧客満足度を上げる」ことに力を入れると、売上が上がらない明白な理由

こんにちは、成田直人です。今回は、「成約率・客単価・顧客満足度のうちどこに力を入れれば、売上を最大化できるか」について2回にわたり、解説していきます。成約率でしょうか、客単価でしょうか、それとも顧客満足度?どれも正しそうですが、果たして正解は?

何に力を入れて売上を最大化するか?

 こんにちは、成田直人です。今回は、前回の最後に質問をした「成約率・客単価・顧客満足度のうちどこに力を入れて売上を最大化しますか?」の続きです。あなたは答えが出ましたか?読み進める前に、ぜひ一度ご自身で答えを出してみてください。その方が学びになります。

 この質問は、私が店長研修で必ずしているテッパンの質問なのです。理由は、3つのうちの1つに着目してスタッフをマネジメントすることによって売上が激増するからなのです。どこに視点を置くか、たったそれだけで店の売上が20%以上上がるのですから、紹介しないわけにはいきません。

 ヒントは、前回の連載で紹介した「付加価値」です。研修でこれまでに1万人以上にこの質問をしてきましたが、ほとんどの受講生が「顧客満足度を向上させる」、と答えています。

 一見まともな答えに思えますよね?でも果たしてこれが正答なのでしょうか。それを知ってもらうために、私は突っ込んでこんな質問をします。

「ではどうやって顧客満足度を上げるのですか?」と。

 すると返ってくる答えは以下のようなものが多いです。

「接客マナーをよくする」

「3コール内で電話に出る」

「笑顔を欠かさない」

 はっきり言いましょう。これでは顧客満足度が上がりません。上がるはずがないのです。

 なぜなら、これらの答えはいずれも「怒られないためのサービス」だからです。当たり前のことを言っているだけなのです。

 このことから何が言えるのでしょうか?顧客満足度に視点を置くと、見ている視野が極端に狭くなる上、人によって顧客満足度を上げる方法が違うのも顧客満足度に視点を置くことが難しいことを物語っています。人によって言っていることが違うとどうなるのか。あなたから見た顧客満足度と、リーダーから見た顧客満足度に相違が生まれます。するとスタッフは両者の言っていることが違うのでどうしたらいいのかますますわからないのです。「もっとお客様の喜ぶサービスをしよう」なんて言ったら何も伝わりません。意味がない。

 

 

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売上最大化のために大事なことは、コレ!

正解は、「客単価」

 ではどこに視点を置くことで、売上が最大化するのでしょうか。正解は、客単価です。私がクライアントの業績改善し、ファンで溢れる超高収益店舗をつくる上で、一番大切にしている指標です。客単価を上げれば成約率も顧客満足度も同時に上がります。

 理由を説明しますね。私はスタッフに「今の接客は客単価最大化できた?」と現場研修で必ず聞きます。すると、「お客さまの言いなりになりました(顧客満足度低)」、というパターンと「プラスアルファで提案をして購入してもらえました(顧客満足度高)」の2つに分かれます。

 お客さまの言いなりになったスタッフに「なんで今言いなりになったの?」と聞くと、「すみません、お客さまの方がコーディネイト知識が高くて太刀打ちできませんでした」と返ってきます。「OK.よく頑張ったね。じゃあ次回(1か月後)僕が来るまでにコーディネイト知識を高めておいてくれる?」「はいかしこまりました!」と課題を与えます。

 客単価に照準を合わせると、このように具体的な課題が生まれるのが特徴です。すると自然と課題解決に向けての学習をします。すると、成約率も上がるし、コーディネイト知識が高まれば顧客満足度も向上する、ということです。

 せっかくですから、先の事例を顧客満足度に照準を当てるとどうなるのか、確認してみましょう。「今の接客は顧客満足度を最大化できた?」「いえ、思うようにできませんでした」と答えたとしましょう。

 そこで、「なんで顧客満足度を最大化できなかったの?」と聞かれて具体的に答えられるでしょうか。おそらく「笑顔が足りなかった」「もっとはきはき話せばよかった」と当たり前のサービス内での課題創出で終わってしまうのです。これでは顧客満足度を最大化、つまり感動を創り出すことは不可能というわけです。

 次回は、今回の続きで、客単価を上げることを指示する際に受け取られる可能性のある誤解(リスク)と解決方法についてお話をします。

 

 

なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。