サミット(東京都/服部哲也社長)は2022年度までの3カ年中期経営計画「GOGREEN2022」(以下、GG2022)を発表。食品スーパー(SM)事業を通じて、社会課題の解決にも貢献する組織となることを経営戦略に掲げている。なぜ同社はここまでサステナビリティに注力し、ステークホルダーを巻き込みながらそのような経営が実践できるのか。
話し合う組織文化によってサステナビリティが発展
サミットが20年度からスタートした中計「GG2022」。大きなポイントは、ステークホルダーに「お客さま」「社員」「お取引先さま」だけでなく「社会」も加えている点だ。本業を通じて社会貢献も同時に果たす、「新しいSMの創造」をめざしている。
このようにサステナビリティへの貢献を、企業の成長戦略にまで昇華しているSMは少ない。サミットがこうした中計を策定した背景には、店舗間競争の激化やネットスーパーの成長など、SM業界を取り巻く厳しい外部環境がある。サミット服部哲也社長は「単に食材を提供するにとどまらず、事業を通じて高齢化や環境保護などの地域社会の課題にも貢献し、SMの枠を超えた存在になることで、お客さまに選ばれる企業になる」と方針を語っている。
サミットはサステナビリティについて、中計以前から取り組んできた。たとえば、06年から東京の水源を守るため、山梨県北都留郡の森で植樹を行う「サミットの森」整備活動を実施するほか、地域活性化を目的に本部のある東京都杉並区の大宮八幡宮で「杉並花笠祭り」を30年以上開催してきた。
同社がかねてより独自の施策を積み重ねてこられた理由について、同社執行役員経営企画部・広報部担当、経営企画部マネジャーの山元淳平氏は「サミットには社員同士で意見を出し合い、自分ごと化して行動に移せる組織文化があることが大きい」と話す。
たとえば、
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。