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ムスブ宮若で広がる!トライアル、最先端の「リテールDX」の世界とは

トライアル大

ここまで、劇的な進化を遂げるトライアルの商品開発や店づくりの最前線に触れてきた。本特集の最後に、トライアルがグループ全体で推進している「リテールDX」戦略について見ていこう。トライアルがITと小売の融合を長年めざしてきた背景と、グループ内外を巻き込んだリテールDX戦略の最新の取り組みについてレポートする。

今日のトライアルを形成したウォルマートとの出会い

 「スマートショッピングカート」に「リテールAIカメラ」、それら最新技術をフル導入した「スマートストア」……。ITと小売の融合を自社が主体となって進めるトライアルの動きは、業界内外から大きな注目を集めている。しかし、なぜトライアルはITと小売の融合を他社に先駆けて進めることができたのか、そのバックグラウンドを知る人は少ないのではないだろうか。

 トライアルの源流となっているのは、故・永田大海氏が1974年に開業したリサイクルショップ「あさひ屋」である。その後、81年に永田久男(現 トライアルホールディングス会長)氏が同社の社長に就任、オーディオブームの到来を見越してオーディオ関連機器の販売事業に乗り出し、84年に「トライアルカンパニー」を立ち上げた。

 それと同時期に永田氏は、当時まだ一般市場には浸透していなかったコンピューター技術の可能性の大きさに注目。プログラミング言語を必死に勉強し、ソフトウエアの開発・販売も手掛けるようになった。永田氏自身がシステムエンジニアとなり、POS関連のプログラムを組むこともあった。

 しかし本業のオーディオ販売事業がブームの終焉とともに低迷。もう一方のソフトウエア関連のビジネスも、結果として軌道に乗せることはできなかった。

 日々の資金繰りにも窮し、「倒産」の2文字がちらついていたなか、永田氏はある小売企業に光明を得る。ITを活用した店舗運営により成功を収めていた米ウォルマート(Walmart)だ。規模こそ違うものの、小売事業とコンピューター事業の二足の草鞋を履いていた永田氏にとって、ウォルマート式のIT経営は高いポテンシャルを感じさせるものだったのだ。すぐにアメリカ視察に赴き、国内では故・渥美俊一氏率いる「ペガサスクラブ」にも入会、小売ビジネスについて猛勉強を重ねた。そして1992年10月、1号店となる「ディスカウントストアトライアル南ケ丘店」を福岡県大野城市に開業した。

スマートストアの出店で、一躍注目を浴びる

スマートストア第1号店として福岡県福岡市に18年にオープンした「SuCアイランドシティ店」

 その後トライアルは、

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