自社で商品を開発する製造小売(SPA)化を志向する西友(東京都/大久保恒夫社長)。生鮮3部門では生産者や産地から商品を仕入れる調達改革に取り組むほか、地域別の仕入れ体制を構築し、物流の最適化にも挑戦している。
エリア専任の仕入れ担当者を配置
新中期経営計画において「食品スーパー(SM)でナンバーワン」を目標の柱の1つに掲げる西友は、SMとしての競争優位性を確立する要素として必要不可欠な生鮮の強化へと本格的に動き出した。全社的に注力している「商品力」「販売力」の強化に生鮮でも本腰を入れる。まず取り組んだのが組織体制の変更だ。「仕入れのスピード(瞬間の判断力)と品質が同時に求められる生鮮は、グロサリーとはビジネスモデルが異なる」(生鮮/惣菜本部生鮮部部長 平山勝也氏)ことから、これまで商品本部の下にその他カテゴリーとひとまとめになっていた生鮮部を惣菜部とともにスピンアウトさせ、生鮮/惣菜本部を新設。この下に生鮮部と惣菜部がぶら下がるかたちとなった。
新体制のもと、「商品力」の強化を実現すべく、生鮮部は3つの取り組みに注力している。1つめが調達改革だ。売上規模が大きい重点商品を中心に、従来の中央市場での取引から、積極的に産地や生産者などサプライチェーンの川上まで踏み込み、取引先との関係構築に努めている。「生鮮のSPA化を進め、自分たちでバリューチェーン構築をめざす」(平山氏)。2つめが地域別の仕入れ体制の構築だ。全国を7つの営業エリアに分割し、商品によっては、エリア内で完結する直接仕入れも行う。そして3つめが、エリア専任の仕入れ担当者(フィールドマーチャンダイザー)の配置だ。また、輸入品についても産地、生産者を絞り込み、最適、最短のサプライチェーンの構築をめざす。平山氏はこうした施策のねらいについて「直接取引は中間の物流コストやマージンを引き下げるだけでなく、品質を担保するメリットもある」と語る。
物流上の課題解決にも取り組む
こうした生鮮改革の取り組みは、鮮度や品質が高い商品を販売することができるようになるだけでなく、物流上の問題を解決することにも貢献する。
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