本拠地である北陸エリアにとどまらず、北は東北、西は関西まで店舗網を広げているクスリのアオキ。同社の最新の経営戦略の中身と、描く成長図はどのようなものか。直近の業績数値を含め、敏腕アナリスト・柳平孝氏が詳しく解説する。※上期業績数値は新収益認識基準ベース。前期との対比は旧基準に換算した数値での比較(「実質」と表記)
コロナ需要の反動減で、業績は足踏み状態
業界内で存在感を大きくしているクスリのアオキだが、最新の業績は足踏み模様だ。2022年5月期上期(21年6月~11月)実績は連結売上高1611億円(実質:対前年同期比10.4%増)、営業利益68億円(同21.0%減)と増収営業減益であった。営業面でも、既存店増収率が同3.5%減、粗利益率も同1.2%ポイント(ppt)低下した。背景にはコロナ禍における需要増大の反動減があり、業績停滞感は同社のみならず、DgS企業全体を覆っているものといえよう。
一方、同社の21年5月期実績は連結売上高3058億円(対前期比1.9%増)、営業利益166億円(同1.6%増)、22年5月期の計画値は連結売上高3380億円(実質:対前期比14.4%増)、営業利益163億円(同1.9%減)であり、連結営業利益は2期連続での横ばい推移が想定されている。
20年5月期までの過去5年間の平均成長率は、売上高が年率17.3%増、営業利益が同16.0%増という高成長を果たしていたことを考慮すると、たしかに近年の足踏み感は否めない。同社の成長力に陰りが生じてしまったのであろうか。ここで、あらためて同社の特徴と強みを振り返ってみよう。
食品も調剤も“北陸最大手”
クスリのアオキの店舗フォーマットの特徴は、
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