ネットスーパー競争が激化するなか、全国に圧倒的な数の店舗網を持つコンビニエンスストア(CVS)も食品宅配サービスを強化中だ。大手ローソン(東京都/竹増貞信社長)は、CVSの中でも果敢に食品宅配事業に挑戦し、現在は自前ではなく、外部のデリバリー事業者との提携によるサービスを一気に拡大している。
店舗受け取りサービスをコロナ禍で廃止した理由
ローソンはCVSの中でも積極的にさまざまな食品宅配サービスの実験を重ねてきた。2013年1月、IT企業のヤフー(東京都)と合弁会社スマートキッチンを設立し、食品・日用品のネット宅配サービス「スマートキッチン」をスタート。14年7月にヤフーが資本を引き上げた後も、新たに食品宅配「ローソンフレッシュ」を立ち上げ、生鮮食品や医薬品(第2・3類)も含む約1万6000品目を揃えて宅配するほか、定期宅配にも対応した(18年8月に事業を終了)。
18年3月には、CVSの店舗を活用した商品受け取りサービス「ローソンフレッシュピック(ロピック)」を開始。スマホアプリで注文すれば、店頭に置いていない青果、日配などの約500品目を、指定した「ローソン」店舗で受け取れるというものだ。同サービスは、一時期は1800店ほどまで導入店を広げたものの、2020年6月にサービスを終了。竹増貞信社長は「ネットで商品を注文するお客さまは『自宅まで届けてもらいたい』というニーズが高く、多くの方に利用していただくのは難しいと判断した」と述べている。
このようにローソンは食品のラストワンマイルの施策において試行錯誤を重ねてきた。そして現在、一気に進めているのがフードデリバリーサービスとの提携による、店頭で扱う商品の宅配サービスだ。
19年8月から国内CVSで初めて「UberEats(ウーバーイーツ)」と提携し、商品宅配サービスを東京都の一部店舗で開始。その後、「フードパンダ(foodpanda)」(日本事業撤退に伴って1月末でサービス終了)「ウォルト(Wolt)」「DiDi Food(ディディフード)」「menu(メニュー)」「DoorDash(ドアダッシュ)」と提携企業を増やし、サービスの導入店舗数は41都道府県2492店まで広がっている(21年11月末時点)。現在、「セブン-イレブン」や「ファミリーマート」もフードデリバリーサービスとの提携を進めているが、導入企業・店の数は
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