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西松屋チェーン 2020年、1000店舗、売上2000億円、経常200億円に向けて

 西松屋チェーン(兵庫県/大村禎史社長)は、2015年2月期第2四半期の決算を発表した。

 2020年2月期に1000店舗、売上高2000億円、経常利益200億円を達成を目指し、着実に打ち手を実行している。大村社長の発言をまとめた(談:文責・千田直哉)。

 

 当社の経営理念は、「日常の暮らし用品を、気軽に、自由に、そしてお客さまに満足される品質の商品を、どこよりも低価格で最も便利に提供することによって、社会生活の向上に寄与する」である。

 

 2015年2月期第2四半期の決算数字は、売上高は652億5200万円(対前期比2.8%増)、営業利益は25億1400万円(同10.4%増)、経常利益26億1800万円(同10.3%増)、四半期純利益が16億100万円(同4.0%増)の増収増益だった。

 

 既存店舗の売上高は、2015年3月が対前期比6.7%減、4月が同4.6%減、5月が同14.0%増、6月が同4.3%減、7月が同2.1%増、8月が同3.8%増、2Q通期では同1.6%減だった。

 消費税増税が一巡した後の5月度以降は、気温の上昇が遅れ、盛夏物商品のピークが後ろにずれた6月を除き、既存店舗の売上高は前年実績を上回った。なお9月の売上高は同6.4%増となった。

 

 衣料品については、夏物、盛夏物の実需のピークに向けた納品管理の徹底が奏功し、若干の月ずれはあったものの、好調に推移した。

 雑貨商品では、プライベートブランド(PB)商品の開発が進んでいる玩具に加え、紙おむつを中心とした消耗衛生雑貨が順調に推移した。

 

 2Qの粗利益率は、35.5%と同0.4ポイント(pt)減だった。これは、値下げロス率が-9.9%から-9.5%へと改善されたものの、円安の影響により、値入率が低下したことによる。

 一方、チラシの折り込み回数削減や配布枚数の見直し、配送デポの設置による国内輸送の合理化など物流費削減にも取り組んだ。この結果、売上高販売管理費率は32.3%から31.6%へと0.7pt改善。経常利益率は3.7%から4%に上昇した。

 

 次に2Qの結果を踏まえて、今後の重点政策を発表したい。

 

 まず、数量管理、生産管理、品質管理などの業務の標準化、制度化を進め、製造小売業としての社内体制を確立していく。

 そのために商品をつくる技術やノウハウを持った一流の技術者を積極的にスカウトしている。実際これまでそういった技術者を80人、商社のOBを6人、合計86人を採用した。これを年内に100人に増やしたい。

 

 その技術者が開発した育児用品分野の各品種それぞれに売れ筋のPBが出来上がっている。

 具体的には、ベビーバギー(3499円)、三輪車(3979円)、バウンサー(4979円)、歩行器(4979円)、ベビーフェンス(1979円)、キッズボンゴ(699円)、恐竜王国(499円)、ままごとセット(798円)などだ。

 また、繊維製品分野でも本格的なPB商品を開発しており、ストレッチパンツ(879円)、裏起毛トレーナー(979円)、プレオール(999円)、ベビー長袖肌着〈2枚組〉(1078円)、リュック&ランドコート(999円)、手開き傘(799円)、すわるおまる(999円)、簡易バスチェア(999円)などがある。

 なかでも目玉はストレッチパンツだ。伸縮性にすぐれ、動きやすく、履き心地もよく、子供たちの身体にピッタリとフィットする。9月初旬から全店舗で販売を開始したところ、3週間での売れ数は約13万枚というヒット商品になった。

 

 小学生サイズの130~150cmの品揃えを本格的に拡大している。140cmまでのサイズの商品については、全店舗で取り扱っている。そして販促活動を進め、お客への認知度をさらに向上させていきたい。

 またアメリカのカジュアルベーシック・クラシックデザインを導入。グローバルな生産工場の開拓や商品開発の技術の導入をしていきたい。

 

 このほか、アウトウエアや肌着などの繊維商品に加え、服飾雑貨商品もシーズンごとに試売を重ねながら、着実に種類が増えている。

 

 これらの本格的なPB商品を重点販売品目として、大量販売し、コアアイテムとして他社との商品の差別化を図っていきたい。

 今後も厳しい価格競争は続くと予想されるが、当社では低価格政策をさらに徹底したい。

 

 加えて、売れ筋予測の精度アップと納期管理を徹底することで在庫内容を改善していく。そしてシーズンごとに適正な在庫量を持つことで、売上増加や値下げロス率の削減につなげ、粗利益率を向上させたい。

 またPB商品を重点販売品目として、大量販売し品種内の品目構成を整理し、SKUの削減につなげる。そして売れ筋商品の追加生産体制を確立していきたい。商品の発注から納品されるまでの期間であるリードタイムの短縮を図る。

 

 ソーシング面では、バングラデッシュ、カンボジアほか、中国以外の国々と取引を進め、よりグローバルなルートの開拓に本格的に取り組んでいる。国内外の大手商社、ベンダーとの取引を拡大している。

 

 インターネット販売も継続して拡大している。2Qは同33.9%増になっている。

 

 物流の合理化ということでは配送デポの設置や配送回数の削減など国内輸送費を削減することができた。それに加え、海上運賃の見直しなどで、直輸入商品にかかるコストの削減もできた。

 店舗では作業の合理化をさらに進めると同時にあらゆる経費を見直して削減していくことを考えている。またSKU数を削減することにより、生産性の向上を図っている。

 

 出店については、年間35~40店舗の積極的な出店を計画する。同時に年間10~12店舗の閉店を実施する。出店店舗の標準的な売場面積を200~250坪、さらに300坪と拡大してきた。今後は300坪を標準規模にしていきたい。

 この売場面積が増えた部分は、新たな商品の品揃えやPBの大量陳列などに活用したい。

 居抜き物件の数を増やしていくことで、家賃や投資額を大幅に下げる。土地建物の自社所有や建物の自社所有にも取り組む。

 

 中期目標として、2020年2月期に、店舗数1000店舗、売上高2000億円、経常利益200億円を目指している。

 今後も、毎年純増25~30店舗の出店を行い、商品の内容を大きく変えた本格的PBを開発し、売場販売効率を上げることにより、この目標を達成したいと考えている。