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業務やハコに疑問を持つ

 戦後の学校教育は、高度経済成長期下で活躍できるサラリーマンを育成するカリキュラムだった。大きなミスをしなければ企業の業績は伸びるのだから、与えられたハコに適応し、一生懸命頑張ることができる人材であれば、それでよかった。

 

 しかし、少子化、高齢化、人口減少が同時進行する低成長時代は、協調性を持ち、優秀に業務をこなす人たちが集まるだけでは勝ち抜けない。むしろ、業務やハコ自体に疑問を持ち、破壊し、再創造できるような人材が求められている。突き詰めていうなら、企業内起業家のような人材だ。

 

 ただ、サラリーマン(ウーマン)にとって、仲間と異なる考えを持ち、動く、異端派は、イバラの道を意味する。上下左右の従業員同士との軋轢は必至だろう。けれども、昨日の延長線として、毎日同じことを繰り返していれば、その企業は確実に衰退の道を辿ることになる。企業内でも組織にぶら下がることなく、自立し、あわよくば新しい仲間を雇って食べさせていけるような気概が必要、と本日入社の新入社員諸君に伝えたい。 

 

『チェーンストアエイジ』誌2014年4月1日号