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従来の形を打ち破る

 日本マクドナルドホールディングス(東京都/原田泳幸CEO〈最高経営責任者〉)は、宅配サービス「マックデリバリー」を本格展開する。

 ネットでマクドナルドの店舗に発注すると、バイク便で指定先にほぼ全てのメニューを届けてくれるというものだ。

 2010年12月に一部店舗で試験導入を開始。12年10月末現在、東京都、神奈川県の17店舗で展開して好評を博している。

 

 顧客へのアプローチという点では、米国やカナダに3000店舗以上を展開するヘアサロンのグレートクリップス(Great Clips)社もおもしろい。

 過去履歴から、顧客の来店パターンを分析し、「○月○日○時に来店しませんか?」とスマートデバイスにメールを送信する。

 返信の際には、日時のみならず、カット担当者、ヘアスタイルまで決めてしまう。このような手法で無駄な待ち時間を排し、顧客からの支持を得ているのだという。

 

 この両社に共通するのは、店舗でただただ顧客の来店を待つ、という従来の商売の形を打ち破っているところにある。

 逆に、店舗を飛び出し、自ら需要を取りに行く――。「じゃあ、何のための店舗なのか!」というなかれ、顧客はそれだけ変化しているということなのだから。

 

『チェーンストアエイジ』誌2012年11月15日号