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面接論

 20年以上も前の話。人事部に籍を置いていたころに書いたメモ「面接について」が偶然出てきたので、紹介したい。手前味噌ながら、若いのになかなかいいことを言っているな、とちょっと感心してしまった。

 

 販売職の面接には、実にいろいろな境遇を持つ人がやってくる。30分ほどの面接時間で向き不向きを判断するのは至難の業だということを思い知らされることが多い。

 

 その中で適正を見分ける最善の方法とは何だろうか?

 

 いくつかの質問を設けて、すべての受験者に同じことを聞くのが妥当だと考える。

 

 たとえば、鉄橋を通過する貨物列車の車両数をカウントする場合はどうすればいいだろうか?

 先頭から、1両、2両…と自ら首を振って追いかけ、数えていく手法では、まず確実に見誤る。

 むしろ、電柱などのポイントを設け、そこを何両が通過したかを数える方が間違いにくいだろう。

 

 各受験者に同じ質問をするというのは、そういう意味だ。

 人間は個性的な生き物であり、同じ質問だけでは良し悪しは判断できないかもしれない。また、その奥には面接では表現しきれなかったもっと大きな魅力や可能性があるかもしれない。

 

 しかし30分という限られた条件は、受験者にとってはみな同じなのだから、同じように機会を与え、同じ環境の中での出来不出来を明らかにすることが肝要だと思う。