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ずっとウソだった

 歌手の斎藤和義さんがYouTubeにアップロードした『ずっとウソだった』が大変な話題を集めている。http://www.youtube.com/watch?v=FZ2-vE6PqAg

 以下は、その歌詞――。

 

 この国を歩けば、原発が54基

 教科書もCMも言ってたよ 安全です

 俺たちを騙して、言い訳は「想定外」

 懐かしいあの空、くすぐったい黒い雨

 

 ずっと、ウソだったんだぜ

 やっぱ、ばれてしまったな

 ホント、ウソだったんだぜ

 原子力は安全です

 

 ずっと、ウソだったんだぜ

 ホウレンソウ食いてえな

 ホント、ウソだったんだぜ

 気づいてたろ、この事態

 

 風に舞う放射能はもう止められない

 何人が被曝すれば気がついてくれるの?

 この国の政府

 

 この街を離れて、うまい水見つけたかい?

 教えてよ!

 やっぱいいや

 

 もうどこも逃げ場はない

 

 ずっと、クソだったんだぜ

 東電も、北電も、中電も、九電も

 もう夢ばかり見てないけど

 

 ずっと、クソだったんだぜ

 それでも続ける気だ

 ホント、クソだったんだぜ

 何かがしたいこの気持ち

 ずっと、ウソだったんだぜ

 ホント、クソだったんだぜ

 

 元歌は、40代を迎えた男が16歳の頃に好意を抱いていた同級生の女性に心情を吐露する素敵なラブソング『ずっと好きだった』。このBLOGでは、2010年11月21日に同曲を含むアルバム『Are you ready ?』を紹介(http://diamond-rm.net/articles/-/3840)したが、変われば変わるものだ。

 

 生前に反原発を訴え続けた故忌野清志郎さんとの比較で、なぜ、原子力発電所の問題が勃発する前から、こうした楽曲をつくり、歌っていなかったのか、という批判はある。

 

 けれども、たぶん斎藤和義さんは、抑制できない憤りを感じて、誰にも相談することなくYouTubeに投稿したのだろう。それは、我々が考えるよりも凄く、大変なことなのである。

 

 ミュージシャンの楽曲とは、いろいろな権益が取り巻き固められており、リリースした後は、作者の意思ではどうにもならなくなってしまうものだからだ。

 

 そんな中で、レコード会社やプロダクションにも報告しないまま、勝手にYouTubeに投稿したと思われる斎藤和義さんのロックンローラー魂に意気を感じる。