食品スーパー(SM)の不採算店舗活性化策としてディスカウントストアへの業態転換が多くの企業で行われている。
企業ごと、店舗ごとに事情は、それぞれなのだろうけれども、対策は一様――。
摩訶不思議な現象だと思う。
大体、そのSM店舗が不採算店化した主因は、何なのだろうか?
投資、立地、競合、商品、店舗規模、サービスなど、チェックすべき項目はたくさんあるはずだし、その分、対策もごまんとあるはずだ。
ところが多くの企業が下す結論は、どの店舗でも“安売り”訴求のディスカウント――。
ライバル企業が価格をそれ以下に合わせてくれば、もう店舗を閉鎖するしかないだろう。
SMが磨くべき競争ポイントは、鮮度、おいしさ、価格、品揃え、クリンリネス、安全・安心、フレンドリー、サービスなどたくさんの切り口がある。
また、これらのどれかひとつでも突出することができれば、大きな競争力になりえる。
ところが「もう、商品政策上は尽くせる限りの手は尽くしたのでディスカウントストアは最後の一手」とばかりに業態転換を進める企業がなんと多いことか。
問題の本質とは正面から対峙せずに、もっとも安易な粗利を削るだけの低価格訴求に逃げるようなやり方では、決して勝ち残ることなどできないだろう。
そのディスカウントストア業態転換の先にも地獄が待っているだけである。