風の吹く方向に顔を向けるため、「日和る」「こびる」という印象が強く、あまりいいイメージがないのが風見鶏。中曽根康弘元首相の代名詞としても有名だが、これも良い意味で使われている訳ではない。
時を告げる「小国鶏(しょうこく)」をロゴマークにしているのは、大手ホームセンター企業のコメリ(新潟県/捧雄一郎社長)。同社の社内報は『かざみどり』と命名されており、こちらは消費者の声を風にたとえて、常に消費者向きの姿勢をつくるという良い意味で使われている。
「私は風になびくフラッグ(旗)だ」と言い切ったのは、イタリアのファッションデザイナー、ジョルジオ・アルマーニさん。コメリ同様、トレンドをしっかり受け止め、その方向にたなびくという信念を語ったものだ。
「君子豹変する」というから、状況に応じてコロコロと態度を変えることは悪いこととは言えない。また、固執は偏執につながるので褒められたものではないのは明らかだ。
けれども、多くの社員を集めて発表した中期経営計画が翌日には秘密裏に変わっているというような状況は納得できない。
(『チェーンストアエイジ』誌 2010年11月15日号)