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大変遅ればせ、恥ずかしながら『JIN-仁-』なのである

 大変遅ればせながら、TBSドラマの『JIN-仁-』なのである。最近、ケーブルテレビで再放送をしており、むさぼるように見入ってしまった。

 原作は、『六三四の剣』や『龍-RON-』でお馴染みの村上もとかさんが『スーパージャンプ』(集英社)に連載していた同名の『JIN-仁-』。連載は2010年12月8日号で完結した。

 

 まったくご存じのない方に内容のさわりを紹介すると、江戸時代にタイムスリップした脳外科医の南方仁が、十分な医療器具がない中で人々の生命を救いながらも、幕末の動乱に巻き込まれていくというものだ。

 

 主役の南方仁役は大沢たかおさん、坂本龍馬に内野聖陽さん、橘咲には綾瀬はるかさん、花魁野風は中谷美紀さん、緒方洪庵の武田鉄也さん、勝海舟の小日向文世さんなど錚々たる顔ぶれ。各々の熱演が素晴らしく、毎回、見ている側が幕末に引きずり込まれる感覚だった。

 

 放送期間が昨年の今頃だったので、「何をいまさら」と言われてしまいそうだが、「見て損をした」という作品が多いドラマの世界では、近年まれにみる秀作だった。

 実際に、「東京ドラマアウォード2010」「2010年民放連賞」「第36回放送文化基金賞」「第18回橋田賞」「第47回ギャラクシー賞」などを総なめ。締めてみれば30冠を達成。来春には続編の放送も確定している。

 

 TBSは、12月27日(月)、28日(火)の19時から『「JIN-仁-」レジェンド』として、2夜連続9時間のディレクターズカット版を放送すると発表。連続ドラマがゴールデンタイム(19時~22時)枠で再放送されるのは史上初の快挙なのだという。

 

 長引く不況で、スポンサーがなかなか集まらずに、テレビ業界は青息吐息。苦肉の策として、秀作の再放送に踏み切ったような感じではあるが、作品を次から次へと濫造して使い捨てにせず、何度も放送して社会の資産としてじっくり咀嚼して、消化していくというのは非常に良い流れなんじゃないかと思う。