ファッションは、格好良くないといけない。
ファストファッションも同じだ。
デザインやカラーなど商品そのものも重要だが、ファッションにおけるブランドイメージは、ブランド名やロゴが強い影響を及ぼす。
「H&M」「ZARA」「アバクロンビー&フィッチ」「GAP」「ユニクロ」…。
すでに一大ブランドとして市場に浸透しているから良く聞こえるということは差し引いたとしても、みんな格好いい名前だ。何かありそうな雰囲気を持っている。
ファッションブランドにとってのネーミングとは、それほどまでに大事なファクターだ。
その意味で言えば、このたびある総合スーパーが発売を発表したファッションブランド名には生活必需品と同じネーミングがされており、ちょっと違和感を抱いてしまう。
ファッションは、どちらかと言えば“ハレ”の世界のことであり、生活必需品は“ケ”の世界の話だ。
だから、ファッションは、日常のつましい生活を引きずらず、連想させないネーミングが良いような気がする。
ただし、『声を出して読みたい日本語』の著者であり、明治大学教授である齋藤孝さんは『売れる! ネーミング発想塾』(ダイヤモンド社刊)の中で「ネーミングとはゼロから発想するのではなく、既存のものを『ずらす』『つなげる』ことが基本である」と書いていたりするし、売れてしまえば結果オーライとなってしまうので、この結論には自信がない。