ホームセンター大手のカインズ(群馬県/土屋裕雅社長)は、サントリーの協力を得て自社開発のチリワイン「RICO RICO」(リコ・リコ)を7月17日から発売している。
1本750ml(赤・白)で448円の低価格を実現。「『上質な味』と『手頃な売価』を両立させた」と土屋社長は満足げ。年間100万本の販売を計画する。
1本のボトルから6杯取ることがワインの原則なので、「RICO RICO」の1杯当たり単価は約74.7円。ダイエーが期間限定で、『バーゲンブロー ノイヴェルト』(第3のビール:350ml)1缶を79円で販売しているけれども、この下をくぐるほどの安さを提供している。
最近の酒類市場は、新ジャンルアルコール飲料が好調に推移する一方でビールや発泡酒は苦戦。半面、ワインや日本酒などの醸造酒は内食回帰のトレンドにも後押しされ堅調だ。また、欧米の家庭では「ワイン」は必需品と言ってもよく、生活の一部に溶け込んでいる。
そうしたことから考えれば、カインズが448円ワインを発売したことは“時代の必然”と言ってもいいのだろう。
だがその一方で、流通業各社は「ワインに合うメニュー」「ワインのある生活シーン」などを本気で考え、本気で提案をしているだろうか?
一部の先端的企業を除けば、商品づくりと売場づくりの間のバランスはまだまだ取れていないようにも見えるのでワインをめぐるビジネスチャンスは大いにあるはずだ。