計画停電対策として、看板の照明を消し、店内照明もぐっと絞る。冷蔵ケースの照度を引き下げ、空調は止められている。
薄暗い店内は、もはや買物を楽しむ場とは言えなくなっており、棚からは、コメ、カップラーメンなど保存性の高い商品やトイレットペーパー、ティッシュペーパーが消えている――。
東日本大震災後の首都圏にある食品スーパーの一般的光景だ。
石油ショックの時と同じように、食品スーパーの開店と同時に自己防衛のために商品に群がる様は、地獄の住人たちが「蜘蛛の糸」にすがりつくようで芥川龍之介の世界を彷彿させる。
こうした事態が起きないようにチェーンストア企業は、必死になって、物量確保と安定供給を目指してきたはずだった。
棚から商品が消えてしまうことは、非常に残念なことだが、いまがチェーンストアの機能と役割を発揮するその時ととらえ、店を開け、商品を販売し続けたい。
商品の需給バランスで言えば、日本は明らかに供給過剰であるわけだから、消費者にしっかり説明して、理解してもらい、不要不急の商品の買い占め、買いだめを抑制し、商品の安定供給に努めたい。
非常事態時は、これまでチェーンストアと消費者間で培ってきた信頼関係が試されているのだと自戒したい。
消費者のみなさんにお願いしたいのは、不安に端を発する買占めや買いだめする気持ちは分からなくないが、もう少し冷静に考えてほしいということだ。
自分が1人だけ生き残ることと、自分がいなくなることは全く同じことであり、意味がないということを理解してほしい。
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