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ビームス、「気づきのマーケティング」

 ビームス(東京都)社長設楽洋さんの「気づきのマーケティング」という考え方をご存じだろうか?

 

 右肩上がりの経済成長時に機能していた「世代マーケティング」や「ライフステージマーケティング」はもはや有効とは言えない。

 そこで設楽さんは年齢やテーストで消費者を区分するのではなく、流行への反応の速さによってマーケットを分類した。

 縦に時間、横に人口をイメージしてピラミッドを描き、上から順に「サイバー」「イノベーター」「オピニオン」「マス」「ディスカウント」の5つに分類している。

 

 設楽さんによれば、「サイバー」は流行の最先端を行くごく少数の層。「イノベーター」は流行にかなり敏感な人。「オピニオン」は一般消費者の中でも割合早い段階で流行を取り入れる層。マスはボリュームとして流行を広げていく人たちのこと。ディスカウンターは終わりつつある流行をまだ引きずって身につけている人のことだ。

 

 「気づきのマーケティング」的な考え方は、ファッション業界では、いまや常識的なものとして定着しているが、食品小売業の中ではほとんど目にすることがない。

 

 しかし、トマト鍋や蒸し鍋など流行を意識しながら新しいメニュー提案に乗り出している食品スーパーでも商品ごとに自社がどの層に狙いをつけているのか確認することが重要だ。

 その意味からも、「気づきのマーケティング」的な考え方がいよいよ必要になっている。