[東京 26日 ロイター] – 政府は26日、5月の月例経済報告で景気は「持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」とし、総括判断を3カ月ぶりに下方修正した。新型コロナウイルス感染症拡大で、東京や関西圏などで緊急事態宣言が発令された影響で、消費や業況判断が下押しされたことを踏まえた。
項目別では国内総生産(GDP)の過半を占める個人消費は、4月の「このところ弱含んでいる」から、「このところサービス支出を中心に弱い動きとなっている」とし、2月以来3カ月ぶりに判断を引き下げた。
新車や家電販売はおおむね横ばいだが、週当たり消費額は2017年ー19年の平均と比較すると下落幅が拡大傾向にある、としている。
業況判断は、「厳しさが残るなかで、持ち直しの動きに足踏みがみられる」とし、1月以来4カ月ぶりに下方修正した。先月は「厳しさは残るものの、持ち直しの動きがみられる」だった。
企業決算に関しては、製造業は自動車生産の回復などから総じて持ち直しているが、非製造業は陸運業などで弱さが続いているとした。緊急事態宣言の発令により、街角景気を表す景気ウォッチャー調査の4月の現状判断は3カ月ぶりに低下していた。
一方、輸出は、4月の「増加のテンポが緩やかになっている」から、海外経済の回復を背景に「緩やかな増加が続いている」と表現を変更した。
設備投資は「持ち直している」で判断を据え置いた。3月の日銀短観で今年度の設備投資計画が前年度比プラスの見通しであり、特にソフトウェア投資の伸びが見込まれることなどを反映した。
また、生産は、5G関連などで電子部品・デバイスや生産用機械を中心に改善しており、「持ち直している」と判断を維持した。
先行きに関しては、内外の感染症による下振れリスクの高まりに注意が必要として先月の表現を引き継いだ。