こんにちは、成田直人です。新型コロナウイルスの感染拡大はとどまるところを知らず、さらに自宅時間が増えそうな今日この頃。先日クライアントから、ホームセンターや家具量販店は購買頻度が低い商品も多く、動きも悪くなるため売上が低調になると報告をいただきました。そこで私はその対策として、既存のライフスタイルを充実させる商品提案ではなく、新しい空間づくりの提案をしていきましょうという話をしました。あなたのお店でも使える話なので、ぜひ最後までお読みください。
既存の売場づくりでは顧客は満足しない
これまでの店舗は、来店した顧客が欲しい商品を購入する場所でした。机やテーブル、食器棚など、自宅の間取りを考慮してサイズが合うものを購入していました。各店舗が「机コーナー」「テーブルコーナー」というように、カテゴリーごとに商品を並べて一覧できるようにするというのが一般的な販売方法でした。
これで売れていた時代はよかったのですが、あなたのお店はいかがでしょうか。私は、正直こういった売場に飽きてしまっているのか、まったくワクワクしません。これはほかの顧客も同じ傾向なのではないかと思っています。店舗に入って「わ〜!」という歓声があがるような「想定外の光景」が広がる、これまで買ったことのない商品がとても魅力的に見えるなど、顧客の予想を超えるような演出が必要になっていると感じています。
多くの店舗がここ数年で力を入れるようになった関連販売もその手法の一つ。テーブルコーナーの床にカーペットを敷くなど、一緒に購入してもらうための施策が取り入れられるようになりました。しかし、どの店舗でも関連販売をするようになったため、飽きられ始めているのが現状です。
では、店舗に来店する顧客をワクワクさせ、購入を即決させるような売場をつくるにはどうしたらよいのでしょうか。
既存概念に縛られない空間づくりを提案
その方法の1つが、これまでにない自宅空間づくりの提案です。
自宅の空間づくりはパターン化しています。このパターンを崩して新しい空間を提案することがポイントです。たとえば、玄関に必要なのは傘立てやフロアマットなどですよね。そこにあえてホテルで使われているような自動点灯の間接照明を提案してみるのはいかがでしょうか。自宅が高級ホテルのような空間になれば、顧客がワクワクするのが想像できませんか? 品質の高いフロアマットや傘立てを紹介するのではなく、そもそも顧客が頭に描いたことがない新しい玄関を提案するのです。今は画像検索が充実しているため、「高級ホテル」で検索すれば参考になる空間をたくさん見ることができます。
また、「3密」を避けられることで流行っているキャンプを模した自宅空間もよいでしょう。自宅で日常的に人工芝をフローリングに敷いている家庭はないでしょうが、キャンプ風の家づくりであれば「アリ」だと思います。今までにない生活空間をプロデュースするという視点で売場づくりをすることで、「コロナ禍で自宅で過ごす時間も長くなってきたから、いっそのことこの空間つくってみる?」と顧客に思わせられるように、DIYの紹介や新しい家具の導入で、ワクワクするような空間づくりの提案をしてみてはいかがでしょうか。
まずは自分自身がワクワクする空間を考える
顧客がワクワクするような売場を実現するためには、固定観念にとらわれるのではなく、発想の転換が重要です。今回は、ホテルやキャンプを具体例として挙げましたが、ほかにもさまざまな空間があるはずです。自宅で理想の空間をつくり上げる過程でもワクワクできるような商品やサービスを提案できれば素晴らしいです。
ぜひ今回の記事を参考にしていただき、「どんな空間が一番ワクワクするのか」をスタッフと一緒に考えてみてください。まずは、「あなた自身やスタッフがワクワクする空間であること」が条件です。売場をつくる人がワクワクしていないのに顧客をワクワクさせるのは難しいですからね。
なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。