[東京 14日 ロイター] – 10月ロイター企業調査によると、新型コロナウイルスにより休業を余儀なくされた非正規雇用者について、年末までにコロナ前の水準に回復する見通しとしたのは、回答企業の7割程度にとどまった。とくに「輸送用機器」、「精密機器・その他製造」、「サービス」では5割以下にとどまる見通し。新型コロナの影響は人員削減だけでなく、賃金カット、新規採用の抑制など、多岐にわたっており、完全回復には時間がかかりそうだ。
この調査は9月29日から10月8日に実施。485社に送付し、回答者数はおよそ245社程度。
雇用・賃金に何らかの影響があったとする企業は47%、影響がなかったとする企業は53%だった。影響があったと回答した企業のなかでは「新規採用凍結・抑制」が36%、「賃金カット」が30%、「人員削減」が29%などとなった。
コロナの影響で落ち込んだ業績に連動して決められる賞与が減少するとの声が多く、「今期の業績が来期の賞与に影響するため、賞与が減少するのは来期になる」(化学製品)、「今後も一段の対策をする必要性が生まれる可能性もある」(ゴム)と、影響が長引くことを懸念する声があった。
一方、コロナで休業を余儀なくされた非正規社員については「いない」とする回答が63%を占めた。休業した人の現在の復帰状況は「70―100%未満」が10%、「100%」が10%となった。
年末までに雇用水準が「100%に戻る」と回答した企業は60%で、コロナ前より増やすとの回答(7%)とあわせても、コロナ前の水準を確保する企業は67%にとどまっている。
「輸送用機器」「精密機器・その他製造」では、年末までに「100%に戻る」との回答が38%と低水準で、「サービス・その他」も「100%に戻る」が33%、「コロナ前より増加」が5%にとどまり、雇用の戻りは鈍い見通しとなっている。