[東京 8日 ロイター] – 東京商工リサーチが8日発表した2020年上半期の企業倒産件数は前年同期比0.2%増の4001件だった。倒産件数が前年同期を上回ったのは11年ぶり。5月は裁判所の一部業務縮小などで300件台の低水準だったが、6月に入り再び増加した。
新型コロナウイルス関連の倒産は240件。6月後半から経済活動再開の動きが広がっているものの、感染者は増えており先行きの不透明感は依然強い。年後半にかけても、変化への対応力に乏しい小規模企業を中心に厳しい状況が続く見込み。
業種別では、新型コロナ感染拡大に伴う外出自粛などの影響を大きく受けた宿泊業の倒産件数が同140%増の72件と大幅に増加した。そのほか、飲食料品製造業、飲食業なども前年同期を上回った。
ただ、負債総額は91年以降で最小の6571億0800万円となった。
倒産件数を6月単月でみると、前年同月比6.2%増の780件だった。
一方、帝国データバンクのデータでみると、上半期の倒産件数は前年同期比1.4%減の3943件で、3年連続で前年同期を下回った。6月単月では806件と、弁護士事務所や裁判所で法的整理手続きが滞留していた5月からの反動などで今年最多の数字となった。