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実践!流通英会話21 ”そうじゃなかったの!?”と意外感をにじませる疑問文を学びましょう

海外店舗を視察に行っても質問ができない。視察先の担当者とあいさつができずにモジモジしてしまう。そんなアナタに“流通英語”の基本を教えます!第21回は、ウォルマート・スーパーセンター対策として行ったアップスケール戦略が失敗した理由が明らかになります。相手の話が良く理解できるように、こまめに質問していきましょう。(これまでの全スキットはこちら

Photo by STUDIOGRANDOUEST

今回のシーンと登場人物

やまだスーパーマーケットの山田信彦社長は、ディスカウンターとの競合対策を学ぶために、コーディネーターの大森剛と共に、ダンデライオン・マーケットを訪問した。2人は、レイノルズ取締役と共に旗艦店に到着。ストーン店長の案内で、売場を視察する。途中、コーヒーに誘われ、今までの試行錯誤の過程を聴いている最中である。

 

登場人物
山田信彦 : やまだスーパーマーケット社長
トム・レイノルズ : ダンデライオン・マーケット取締役マーケティング部長
大森剛 : コーディネーター
ケン・ストーン: ダンデライオン・マーケット旗艦店店長

難易度(各英語センテンスに表記されています)
初級 : あいさつなど基本的な言い回し
中級 : よく使うので覚えておきたい言い回し
上級 : さらに突っ込んだ会話ができる言い回し

 

今週の英会話

ストーン:We assumed that Wal-Mart would take some of our customers, but never assumed that other supermarkets would too.
ウォルマートにお客さまの一部を取られることは想定していましたが、 ほかのスーパーマーケットにも奪われるとは考えていませんでした

山田:Why were customers taken by Wal-Mart and other competitors?
なぜお客さまをウォルマートとほかの競合に取られたのですか。

レイノルズ:What we found was that most consumers in this area did not want an upscale supermarket.
わかったことは、この地域のほとんどの消費者は アップスケールなスーパーマーケットを望んでいなかったことです。

大森:On the way here, you said that most people in this area are middle-class, white-collar workers. 
ここに来る途中で、あなたは、この地域のほとんどの人が中流クラスの ホワイトカラーだとおっしゃいました。

レイノルズ:Yes, I did.
はい、言いました。

山田:Don’t they make enough to shop at an upscale supermarket?(中級)
彼らの収入はアップスケールなスーパーマーケットで買物するには 十分な収入ではないのですか

解説

レイノルズ取締役とストーン店長から、<ウォ ルマート・スーパーセンター出店に先駆けて旗艦店を大改装したところ、お客が減少 してしまった>という話を山田社長は聞きました。山田社長がこれから競合対策を立てる うえでも、聞き逃せない内容です。相手が 話したことに、山田社長はすぐさま質問を 発しています。これまでにいろいろなパタ ーンの疑問文をご紹介してきました。今 回、初めて登場する疑問文があります。 Don’t they ……? という疑問文です。や やこしそうですが、文章の構成はそれほど 難しくはありません。ぜひ覚えて、使ってみ てください。 

このセンテンスを覚えよう!

Don’t they ~~? : 「~~ではないので すか」。私たちがよく知っているのは「Do you know the store manager?(あの店長を知っていますか?)」というような疑問文で す。この例文ですと、あなたがあの店長を知っているかどうかを、私 は知らないから質問します。さて、この例文のDoをDon’tに変えてみ ましょう。Don’t you know the store manager? となると、「あの 店長のこと、知らないのですか?」の言外に、「私はてっきりあなたが あの店長を知っていると思っていた」という意味が込められていま す。スキットの文章では、山田社長はこの地域は中流世帯が多いか ら、アップスケールな店にも買物に来てくれるだろうと考えていたこ とを言外で伝えています。ちなみに、このスキットの make は「お金 を稼ぐ」の意味です。

KEYWORD 一般的な用語

assume : 「当然のことと思う」「思い込む」の意。よく使われる次の かたちで覚えてください。I assumed that A would B。私はAがBだ と思い込んでいた。Aには名詞が、Bには動詞の原形がきます。

other : いろいろな意味や使い方がありますが、まずは「ほかの」 「別の」と覚えてください。この意味のotherの後には複数名詞が来 ます。たとえば、other peopleのように。

most : こちらもいろいろな意味、使い方がある単語です。muchの 最上級として学校では習いました。ここでは、「ほとんどの」「大多数 の」という意味の形容詞です。