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うなぎ商戦、猛暑で熱気=物価高対抗で「低価格」も

大丸東京店の食品売り場に並ぶうなぎ弁当
〔写真説明〕大丸東京店の食品売り場に並ぶうなぎ弁当=18日、東京都千代田区 (時事通信社)

 「土用の丑(うし)の日」の24日を前に、百貨店やスーパー、外食チェーンのうなぎ商戦が熱を帯びてきた。「ハレの日」需要を捉えた豪勢な商品から、うなぎ登りの物価に悩む消費者に寄り添った中・低価格帯も充実。猛暑を追い風に、「うなぎを食べて夏を乗り切って」(業界関係者)と盛り上げる。

 大丸東京店(東京都千代田区)は、過去最高の約70種類のメニューをそろえる。老舗「伊勢定」の「鰻弁当(大)」(4590円)や、うなぎと米沢牛を味わえる弁当「丑×牛でスタミナを」(5400円、事前予約制で期間・数量限定)などの高級品もあれば、1000円前後の値頃感のある商品まで幅広い。広報担当者は「物価高の中でも、多くの人に風物詩を楽しんでほしい」と話す。

 「イトーヨーカドー」と「ヨーク」では、1日から中国産うなぎを使用した「うなぎまぶしご飯」を429円で販売したところ、「飛ぶように売れる」(鮮魚担当者)人気ぶり。鹿児島県産のうなぎは仕入れ方法を変え、「うなぎの蒲焼 大」を昨年よりも200円安い2570円で提供し、価格に敏感な消費者を味方につけたい考えだ。

 変わり種を投入するのはイオンリテール。10~20代が中心の「Z世代」向けに、焼き鳥感覚で食べる串刺しの「中国産うなぎ おつまみ串蒲焼」(4本入り861円)を売り出した。広報担当者は、「魚食文化をつなぐため、若者に『刺さる』ものを企画した」と力を込める。

 外食チェーンでも熱気が高まる。すかいらーくホールディングスが展開するファミリーレストラン「ガスト」は「うな重」を初投入。松・竹・梅を1390~1990円で提供中で、評判は上々だという。

 ロイヤルホールディングス傘下の「天丼てんや」は、うなぎのかば焼きの天ぷらと、とろろを使った「うなとろ天丼」(1080円)の販売期間を22日から8月7日までと昨年から倍増し、イベント需要の取り込みを図る。