厚生労働省が8日発表した5月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は前年同月比1.4%減となった。減少は26カ月連続で、過去最長を更新。賃上げの効果が浸透しつつあるものの、マイナス幅は前月(1.2%減)から拡大。物価上昇の伸びに依然追い付いていない。
基本給と残業代などを合わせた名目賃金は労働者1人当たり平均で1.9%増の29万7151円だった。このうち、基本給を中心とする「所定内給与」は、2.5%増と31年ぶりの伸びを記録。2024年春闘の結果が反映されつつある。
一方、実質賃金の算出に使う消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)の上昇率は3.3%と前月から拡大した。
就業形態別の名目賃金は、正社員ら一般労働者が2.1%増の37万8803円。パートタイム労働者は3.2%増の10万8511円だった。
1人平均の総実労働時間は、1.2%増の137.1時間。このうち、所定内労働時間は1.3%増、所定外は1.0%減となった。