【上海時事】中国電子商取引（ＥＣ）大手のアリババ集団が７日発表した２０２３年１０～１２月期決算は、売上高が前年同期比５％増の２６０３億４８００万元（約５兆４０００億円）だった。前年同期は新型コロナウイルスの感染拡大などで社会活動が停滞しており、今年は反動で伸びた。ただロイター通信によれば、景気減速・消費低迷の影響を受け、市場予想には届かなかった。
営業利益は減損処理の計上で、３６％減の２２５億１１００万元。売上高では淘宝（タオバオ）など中国ＥＣ関連が２％増の１２９０億７０００万元。グローバルＥＣは４４％増の２８５億１６００万元と好調を維持した。クラウドコンピューティング部門は３％増だった。
アリババは９月に経営体制を刷新し、創業メンバーである蔡崇信氏が会長に、呉泳銘氏が最高経営責任者（ＣＥＯ）に就任した。アリババは主力のＥＣ分野でも、格安商品を得意とするＰＤＤに追い上げられるなど危機感を強めている。
呉ＣＥＯは「ＥＣやクラウドといった中核ビジネスを再び成長させることが最優先事項だ」と強調。タオバオなどＥＣサイトの成長を後押しするため、顧客体験の改善に向けた投資を拡大すると訴えた。