【ワシントン時事】米商務省が29日発表した8月の個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比3.5%上昇した。伸び率は前月(3.4%=改定)から2カ月連続で拡大。最近のエネルギー価格高を反映した形だ。
価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は3.9%上昇と、伸び率は前月から減速した。いずれの上昇率も、米連邦準備制度理事会(FRB)の物価目標となる2%を引き続き上回った。
項目別では、エネルギー価格が3.6%低下(前月は13.0%低下)と、下げ幅が大きく縮小した。耐久財は1.9%の低下で、3カ月連続で下がった。一方、サービス価格は4.9%上昇と、高水準にとどまった。接客などサービス分野の価格は、人手不足が主因の賃金上昇に押し上げられているとみられる。
FRBは、基調的なインフレ動向を示すコア指数の伸び率が最近、減速傾向にあることを「非常に良い数値」(パウエル議長)と歓迎する。ただ、強い景気による旺盛な需要が一段のインフレ圧力をもたらしかねないと警戒。0.25%の幅で「年内あと1回」の利上げを想定している。
8月の個人消費支出は前月比0.4%増と、前月(0.9%増)から伸びが鈍化した。
◇米PCE物価指数
7月 8月
PCE 前月比 0.2 0.4
前年同月比 3.4 3.5
PCEコア 前月比 0.2 0.1
前年同月比 4.3 3.9
個人消費・所得 個人所得
前月比 0.2 0.4
可処分所得 前月比 0.0 0.2
個人消費 前月比 0.9 0.4
モノ 前月比 0.5 0.6
耐久財 前月比 0.5 ▲0.6
非耐久財 前月比 0.5 1.3
サービス 前月比 1.0 0.4
貯蓄率 4.1 3.9
(注)単位%、貯蓄率を除き上昇/増加、▲は低下/減少