【ワシントン時事】米労働省が12日発表した3月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比5.0%上昇した。伸びは昨年6月をピークに9カ月連続で鈍化し、市場予想を下回った。ただ、サービス価格の上昇率は高水準にとどまり、インフレの根強さが改めて示された。
変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は5.6%上昇と、伸び率は小幅ながらも前月(5.5%)から拡大。6カ月ぶりに前月を上回った。
項目別では、エネルギー関連を除くサービス価格が7.1%上昇し、全体を押し上げた。中古車は11.2%低下。コロナ禍による供給制約で急上昇していた中古車などの価格が下がった半面、人手不足に伴う賃金上昇でサービス分野の上昇が収まらない状況が続いている。
インフレ圧力を抑え込むため、連邦準備制度理事会(FRB)は追加利上げの構えを示す。しかし、米中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)など2行の経営破綻をきっかけとした信用不安で、融資条件の厳格化も懸念されている。「利上げの行き過ぎに注意すべきだ」(FRB高官)との声も上がっており、次回5月の金融政策会合では利上げに関して慎重に判断するとみられる。
◇3月の米消費者物価指数概要
消費者物価指数 0.1(前年同月比5.0)
コア指数 0.4(前年同月比5.6)
エネルギー ▲3.5
燃料油 ▲4.0
ガソリン ▲4.6
衣料 0.3
新車 0.4
中古車 ▲0.9
帰属家賃 0.5
航空運賃 4.0
(注)前月比%上昇、▲は低下。季節調整後。前年同月比は季節調整前