米ソフトウェア大手アドビの推計によると、米国の年末商戦(ホリデーシーズン)のEC(ネット通販)売上高は2117億ドル(約28兆5800億円)で過去最高を記録した。インフレによる売上減が懸念されていたが、前年同期比で3.5%増加した。
EC事業者の多くが利用する同社の分析ツール「Adobe Analytics」を通じて得られたデータから、11月1日〜12月31日までのオンラインショッピングの総額を推計した。
感謝際(11月24日)からサイバーマンデー(11月28日)までのサイバーウイークのEC売上高は353億ドルと、4%増加した。シーズン前の10月と比較して年末商戦の売上が大きく伸びた商品カテゴリーは、玩具(206%増)、ビデオゲーム(115%増)、アパレル・アクセサリー(94%増)だった。
主要カテゴリーの多くで過去最高の値引きが実施され、消費を刺激した。値引き幅が大きかったのは玩具の34%(21年は19%)、家電の25%(同8%)、コンピュータの20%(同10%)、アパレルの19%(同13%)などだった。
アドビが集計した推計値はインフレ調整されていないが、同社によればEC価格は22年12月まで4カ月連続で下落しており、年末商戦における売上高の増加はインフレではなく、新たな需要増によってもたらされたとしている。
なお、年末商戦におけるオンラインショッピングの47%がスマートフォン経由であり、21年の43%に比べてモバイルショッピングの比率が一段と高まった。