サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で16強入りを果たした日本の躍進により、関連消費に一段と弾みがつきそうだ。サッカー用品や自宅観戦を盛り上げるビールなどの販売が好調で、「さらなる活躍を」(スポーツ用品大手)と期待は膨らむ。
ミズノでは、W杯開幕後の11月22日~12月1日のサッカーシューズの売上高が東京と大阪の直営2店舗で前年同期比2倍超に達した。日本代表では主将の吉田麻也選手ら5人が同社製シューズを使用しており、「W杯効果が大きい」(広報)と歓迎する。
カルビーでは、代表選手カード付きのポテトチップスが飛ぶように売れた。サッポロホールディングス(HD)では、1次リーグ初戦のドイツ戦後1週間のビール類の出荷量が前週比4割増加。キリンHDでも2日までの10日間の出荷量がそれ以前に比べ2割増え、「引き続き消費が活性化してほしい」と期待する。
次戦の相手国、クロアチアへの関心も高まっている。東京都内のクロアチア料理店「Dobro(ドブロ)」の店長、中島隼さんは「クロアチアと(試合を)やると知って驚いた。けさ(2日朝)から予約がひっきりなしだ」と笑顔で語った。
カタール航空には2日、今後の現地観戦を望むファンからの空席状況の問い合わせが相次いだ。既に現地入りしたファンから滞在延長の相談もあり、「かなりの件数」(担当者)に上っているという。
日本代表のサポート企業になっている日本航空は、成田・羽田両空港の地上スタッフが試合に合わせて日本代表のユニホームを着用。応援ムードを盛り上げる。
ただ、これからの現地観戦予約は難しそうだ。グループリーグのツアーを販売した西鉄旅行(福岡市)は16強以降分については予定しておらず、「現地のホテルが満室で新たな企画は難しい」と説明する。多くのファンはテレビなどの画面越しに応援することになりそうだ。