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米メーシーズの年末商戦低調、通期見通し下方修正 コールズも売上高急減速

1月10日、米百貨店大手メーシーズが、通期の既存店売上高見通しを2%増とし、従来見通しの2.3─2.5%から下方修正した。ニューヨークで昨年12月撮影(2019年 ロイター/SHANNON STAPLETON)

 

[10日 ロイター] – 米百貨店大手の一角の2018年年末商戦が低調だったことが鮮明となっている。

 

メーシーズは10日、12月半ばに販売がもたつき、書き入れ時となる年末商戦の売上高全体を圧迫したとし、通期の既存店売上高と利益見通しを下方修正した。

 

11-12月の既存店売上高は1.1%増。ただ、女性向けスポーツ衣料品や装飾品、化粧品などの販売低迷が目立ったという。

 

ジェネット会長兼最高経営責任者(CEO)は「ブラックフライデーやその翌週のサイバーウィークなど、年末商戦の出だしは好調だったが、12月半ばに弱含んだ後、クリスマスの週まで予想されていたトレンドに回復しなかった」と説明した。

 

通期の既存店売上高見通しは2%増とし、従来見通しの2.3-2.5%から引き下げ。特別項目を除く1株利益(希薄化後)は3.95-4ドルとし、従来の4.10-4.30ドルから下方修正した。

 

メーシーズの既存店売上高はこれまで4四半期連続で増加。株価はも年末商戦の開始となる感謝祭までの1年に80%強値上がりしていた。

 

同業コールズも、11-12月既存店売上高が1.2%増と、前年同期の6.9%増から伸びが急減速した。

 

こうした中、小売大手ターゲットの11-12月既存店売上高は5.7%増と堅調。客足増や好調なオンライン小売売上高が主導した。とりわけインターネットで購入した商品を店舗で受け取るサービスは前年比60%超増加した。

 

ただ、11-1月の既存店売上高見通しは約5%増に据え置いた。

 

一方で、通期の既存店売上高は2005年来の大幅な伸びとなる予想したほか、オンライン売上高は5年連続で25%を超える伸びとなる見通しとした。

 

リテール・メトリックスのケン・パーキンス氏は「消費者を巡る状況は良好のようだが、総じて経済減速の兆候が垣間見られる」と指摘した。

 

クレジットカード大手マスターカードが昨年末、米年末商戦の小売売上高が好調な経済情勢などを背景に6年ぶりの大幅な伸びになったとのデータを発表していたこともあり、百貨店大手の業績は失望感を誘った。

 

米株式市場ではメーシーズが一時約20%急落。コールズも最大9%下落、ターゲットは約4%安で推移した。