ドン・キホーテやユニーなどを傘下に持つパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は8月12日、2025年6月期に売上高2兆円、営業利益1200億円の達成を目指す中期経営計画「Visionary(ビジョナリー)2025」を発表した。
22年6月期の実績と比べて売上高は9.2%増、営業利益は35.2%増を目指す。国内においてはプライベートブランド(PB)商品やOEM(委託者ブランドによる生産)を活用したオリジナル製品の販売を増やし、利益率を高める。また、海外事業の利益率を高めることで、会社全体の利益を底上げする。25年6月期の営業利益率は6.0%と、22年6月期に比べて1.2ポイントの向上を目指す。
国内ではPBとOEMの売上構成比を22年6月期の15.3%から25年6月期には25.0%に高める。これにより、粗利益率は27.5%と、2.0ポイントの改善を見込む。DS(ディスカウントストア)事業とGMS(総合スーパー)事業の商品本部を統合するなど、業務の効率化も進める。
アジアと北米で店舗を展開する海外事業は、新規出店により事業規模を拡大する。アジアの店舗数は22年6月期の30店舗から64店舗に、北米の店舗数は65店舗から78店舗に増やす。これにより、海外事業の売上高は2673億円から3700億円、営業利益は121億円から270億円に拡大させる計画だ。PBの拡販や生産者からの直接調達を増やすなどの施策によって、営業利益率を4.5%から7.3%に引き上げる。
同日発表した22年6月期の連結業績は、売上高が前期比7.2%増の1兆8312億円、営業利益が9.2%増の886億円、純利益が15.2%増の619億円だった。米国の食品スーパー、ゲルソンズを新規連結化した効果などで売上高が伸びた。また、PBとOEMの強化で粗利益率が改善し、増益につながった。