イオンが発表した2013年2月期の連結業績は、本業の収益力を示す営業利益が前期比3.8%減の1909億円と4年ぶりのマイナスとなった。会社側は2100億~2200億円を見込んでいたが、主力であるGMS(総合スーパー)事業が16.6%減の464億円と伸びず、大きなブレーキとなった。先行投資負担で中国事業が18億円の営業赤字(前期は28億円の黒字)となったことも響いた。
GMS事業の大半を占める中核会社のイオンリテールは、昨年夏場からナショナルブランド(NB)商品の大量値下げを実施したものの客数が伸びず、既存店売上高は1.4%のマイナスとなった。利幅の大きいプライベートブランド「トップバリュ」の拡販で、販売構成比率を約20%にまで高めたものの、NBの値下げ販売分をカバーできず粗利益率も0.2ポイント悪化した。
ただ、貸倒引当金戻入額と差入保証金回収益で合わせて71億円など計372億円の営業外収益を計上したことで、連結経常利益ベースでは0.3%増の2129億円と増益を確保。前期に計上した災害による特別損失335億円がなくなったことで、純利益も11.9%増の746億円となり、経常利益、純利益では過去最高を更新した。
14年2月期については、売上高に当たる営業収益が5.5%増の6兆円、営業利益が4.7~9.9%増の2000億~2100億円を見込んでいる。子会社化する予定のダイエーの業績は予想に織り込んでおらず、営業収益は大きく上振れする可能性が高い。