小売業世界2位のカルフール(フランス)は3月1日、ハードディスカウンターの「Dia(ディア)」と不動産事業のカルフール・プロパティをスピンオフ(事業切り離し)することを決めた。6月の株主総会で承認されれば、ディアの株式の100%、カルフール・プロパティの25%を売却する。
ハードディスカウンターは小型の店舗で食品と日用雑貨のPB(プライベートブランド)を中心に低価格で販売する業態。一般的に加工食品が品揃えの中心で、アイテム数は約3000程度と一般的な食品スーパーより大幅に少ない。
ヨーロッパではドイツのアルディを筆頭に競争力のあるハードディスカウンターがひしめいており、ディアは同業態では世界3位の規模を持つ。本部はスペインにあり、商品仕入れの面などでも相乗効果が少ないことから完全分離に踏み切る。
一方、カルフール・プロパティはカルフール店舗の不動産を保有していることから、25%の分離にとどめるが、スピンオフ後はNYSEユーロネクスト市場に株式を上場する予定。
両社の分離でカルフールはハイパーマーケット業態と食品スーパー業態の運営に経営資源を集中する。