米ウォルマート・ストアーズは1月25日、会員制ホールセール・クラブのサムズ・クラブ部門の収益改善に向けたリストラ策を発表した。サムズ・クラブの店内で行っている試食・デモ販売の業務を外部にアウトソーシングするのに合わせて、現在、同業務に携わっているパートタイマー1万人を解雇する。アウトソーシング先はアーカンソー州のショッパー・イベンツ(Shopper Events)社。同社はウォルマート・スーパーセンター約2000店舗での試食販売業務を請け負っている。サムズ・クラブは食品・飲料の試食販売、家電や美容健康商品のデモ販売を恒常的に行い、販売増につなげる。ショッパー・イベンツ社は業務拡大に伴い、サムズ・クラブを解雇されたパートタイマーの一部を再雇用する可能性もある。
また、サムズ・クラブでビジネス会員の勧誘を担当している従業員1200人も削減する。ビジネス会員向けのイベントを開催することなどによって、新規会員の獲得を効率化するという。
サムズ・クラブ部門の2009年2~10月期の業績は売上高が前年同期比1.8%減、営業利益が0.1%減の減収減益。ウォルマート部門の売上高が1.7%増、営業利益が5.1%だったのに比べ、業績の足を引っ張る格好になっている。1月初めにはサムズ・クラブの不採算店10店舗を閉鎖し、従業員1500人を解雇する計画を明らかにしている。