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【伊藤忠商事】日本アクセスにTOB、出資比率を最大で93%に

 伊藤忠商事は3月3日、連結子会社で食品卸大手の日本アクセスにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。2位株主の雪印乳業の保有分(約6.41%)を除く全株式の取得を目指すとしており、TOB後の出資比率は現在の69.69%から最大で93.59%に高まる。実施機関は3月5日~4月16日で、買い付け価格は1株1300円。

 

 出資比率を高めることによって日本アクセスと伊藤忠グループ各社との提携関係をより強化すると共に、外食、生鮮および物流などに関連する伊藤忠傘下企業間の合併や事業譲渡などグループ内での事業再編も検討する。

 

 日本アクセスはアイスクリームの卸売を目的に1952年に雪印乳業が設立したが、雪印が食中毒事件で業績が悪化したために、2001年に伊藤忠が約10%を出資して資本業務提携、02年には株式を追加取得して筆頭株主となった。さらに06年にはTOBで出資比率を60.44%に引き上げ、07年には伊藤忠連結子会社で同業の西野商事を吸収合併。これに伴って、伊藤忠の出資比率は69.69%に高まった。

 

 日本アクセスは低温度帯物流に強く、09年3月期の連結売上高は1兆3677億円と国分、菱食に肩を並べる業界3番手。伊藤忠の食品卸子会社としては、伊藤忠食品(09年9月の連結売上高6221億円)もある。