三越伊勢丹ホールディングスの2010年3月期連結業績は、百貨店事業の不振から本業の収益力を示す営業利益が前年同期比78.7%減の41億円に落ち込んだ。三越の新宿アルコット店や名古屋栄店など販売不振店舗の減損損失として271億円、早期退職制度の実施や店舗閉鎖など構造改革損失として425億円など合計773億円の特別損失を計上したことから、最終損益は635億円の大幅な赤字(前期は46億円の黒字)となった。
個別業績では伊勢丹の売上高が3954億円(8.6%減)、営業利益が99億円(32.5%減)だった。昨年5月に鹿児島店、池袋店を閉鎖した三越の売上高は5470億円(16.8%減)、営業損益は77億円の赤字(前期は8億円の黒字)だった。食品スーパーのクイーンズ伊勢丹など小売・専門店業も2億円の営業赤字と不振だった。
11年3月期については、伊勢丹が売上高3617億円(8.5%減)、営業利益81億円(17.9%減)の減収減益を予想。札幌、名古屋、福岡など地方店舗を今年4月1日付けで分社化した三越の売上高は2958億円とほぼ半減、営業損益は2億円の赤字となる見込みだ。
連結ベースでの11年3月期業績予想は、売上高1兆2500億円(3.2%減)、営業利益45億円(7.7%増)、純利益は100億円の黒字に転換しそうだ。