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「Think local , Act local」

 こう言って憚らないのは、美容室チェーン田谷(東京都)の保科匡邦社長だ。

 

 これまで多くのチェーンストア企業の合言葉になってきたのは、「Think global , Act local」。その由来は、オランダのチェーンストア企業アホールドにあるといわれる。

 

 保科社長の発言には理由がある。現在の日本の美容室の数は24万軒、美容師の人数は50万人と少子高齢化・人口減少社会にあっても増え続け、オーバーストア化に歯止めがかからないからだ。一方、理容室や理容師の数は減少している。

 

 その中にあって、田谷の打ち手は幅広い。人材教育に力を入れることで、失客率が小さく、固定客を保持できる「上級デザイナー」を増やしたり、離職しないように大手保育施設と提携して子育てしながら働ける環境づくりに努める。

 

 また、来店手段の乏しいお客には送迎サービスや出前サービスを提供。顧客体験を上げるために店舗のスクラップや改装にも力を入れる。

 

 オーバーストア下では、標準化されたサービスが逆に企業を傷つけたりする。そこででてきた考えが「Think local , Act local」。現場で考え、現場で実施、本部はそのサポート役に徹するというものだ。(C)