試算では店舗業務月間約50万円の費用削減効果
人手不足など店舗の課題解決に貢献するAIロボット
流通業界の経営改革の切り札はデジタル化だ。多くの流通業が、様々な形でデジタル化を加速している。しかし業務単位でシステム化を進めても、最終的に目指すゴールにはたどり着けない。重要なのは経営層、店舗から顧客までを連携させたデータドリブン型の流通改革だ。流通業の現場では日々膨大なデータが発生する。そのデータを収集・分析することで業務改革のポイントを探り、効果的な施策を講じることが不可欠となる。日本ユニシスは、「New Retail Trinity Model」を掲げ、経営層や本部など店舗運営サイドと店舗の現場、そして顧客を三位一体で連携するコンセプトを打ち出している。
そうした施策の一環として、POPチェックや売価チェック、品切れチェックを自動で行うAIロボットを開発し今秋から市場投入する。これまでの実証実験の結果、日本ユニシスの試算では売価チェック・POP期限チェック、品切れチェックなどに必要な時間は月間144時間。人件費と本部経費の合算で、時給単価を2000円とすれば月28万8000円の経費が必要となる。そこに機会損失などで発生する損害をプラスすれば月間で約50万円程度と算出でき、それをAIロボットで補う効果が期待できるとしている。
人手不足が深刻化し、店舗スタッフ集めにも苦労する状況では、店舗の運営の継続そのものがあやぶまれる状況にある。そこにAIロボットが店舗業務を担う効果は大きい。さらにAIロボットの収集したデータを、売場改革や業務品質向上にも役立てる仕組みも検討されている。
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