セールスフォース、世界規模での消費行動を調査・分析
消費者の86%は店舗、ブランドサイト、オンラインマーケットプレイスを自在に利用
セールフォース・リサーチは2019年6月から7月にかけて、世界の消費者1万人以上に対してアンケートを実施。消費者の動向に対して小売業やブランド、オンラインマーケットプレイスがどのような影響を受けるか分析した。アンケートはアジア・太平洋地域、欧州、中南米、中東、アフリカの各地域の1万614人から回答を得ている。
デジタル化の進展によって消費者は小売業のリアル店舗やウェブサイト、ブランドサイト、オンラインマーケットプレイスと様々な購買チャンスを得ている。そしてアンケートでも86%の消費者が、それら選択肢を巧みに組み合わせて使用している実態が明らかになった。その中でその選択肢を提供する側にとっては、消費者に選ばれるための差別化戦略が重要になっている。
小売業の中でもリアル店舗は、ブランドサイトやオンラインマーケットプレイスの台頭で従来のような集客法に限界が出ている。その一方でリアル店舗を生かすことは、もっとも効果的な差別化にもなりえる。アンケートでも81%の消費者が店舗で商品を見つけ品定めし、71%が初回購入をしているという。これはオンラインショッピングの2.4倍に相当する。
小売業のリアル店舗は顧客体験で差別化するチャンスが大きい
近年、顧客エンゲージメントやショッピングエクスペリエンスの向上が言われるようになっている。消費者にとって心地よい買物体験を提供することで、新たなエンゲージメントを創出する必要がある。消費者にとってスマホアプリによりショッピングのチャンスは日常的にどこにでもある。音声アシスタンスなどの提供で、買い物もさらに容易になった。さらにゲーム機を使ってショッピングするケースも少なくない。
そうした環境にあっても、実はリアル店舗の存在は重要だ。2018年に約5500もの店舗が閉鎖された米国では、49%の消費者がその影響を受けたと回答した。店舗では商品を手にでき、その商品をすぐに買えるというメリットがある。さらに心地よい接客で購買意欲が増す可能性も高い。差別化という点で、リアル店舗ほど有効な場所はないかもしれない。それ故に、25%の消費者が店舗での体験の質の低さから離反していることを重視すべきだろう。
消費者に対して様々な購買チャンスが提供され、世界でどのように消費行動が変化しているのか。セールスフォース・リサーチのレポート「コネクテッドショッパー最新動向」では、さらに詳細なアンケート結果に対する分析と考察を公開している。
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