バローホールディングス(岐阜県/小池孝幸社長:以下、バローHD)傘下のバロー(同/森克幸社長)は近年、大阪府をはじめとする関西エリアでの店舗網拡大を進めている。2024年11月8日には大阪府松原市に府内6店舗目となる「スーパーマーケットバロー松原別所店」(以下、松原別所店)をオープンした。関西地場の有力な食品スーパー(SM)に囲まれた厳しい立地にあえて出店。同社が推進する「D・S(デスティネーション・ストア)」化によって強い来店動機を創出し、競争力を磨き上げるという戦略的店舗だ。同店の売場から、バローHDの最新の関西戦略をひも解く。
SM激戦区 松原に“参戦”
バローHDは、中期経営計画(2024~26年度)において、「関西圏での売上高500億円超」(※滋賀県を除く)を目標に掲げている。
同社は10年に滋賀県に出店して関西への進出を果たし、24年11月現在はグループ全体で124店舗(滋賀30、京都16、大阪45、兵庫33)の強大な店舗網を有する。このうち滋賀県では約10年間で1%のマーケットシェアを獲得しており、バローHDは中期経営計画のなかで「滋賀県を除く関西エリアで、今後10年間で1%のシェア=2500億円の売上高をめざす」という意欲的な目標も示している。
成長戦略の大きな柱の一つであるこの「関西強化」を実現するために、バローHDではすでにさまざまな施策を講じている。
23年10月には、食品卸トーホーのSM子会社トーホーストアの16店舗を傘下の事業会社が譲り受け、25年度中をめどにうち11店舗をドラッグストア(DgS)の中部薬品(岐阜県/高巢基彦社長)が展開する「Vドラッグ」に、2店舗を生鮮SM「たこ一」に、3店舗を「八百鮮」に転換予定だ。
また大阪府北部に、チルド・氷温・冷凍・ドライ食品を扱う「枚方物流センター」も新設し、24年10月より運用を開始している。これにより、バローHDが有する関西圏のSMへの商品の納品は、従来の岐阜県大垣市にある物流センターを経由する輸送に比べ、平均で約半日短縮された。
これらの施策と合わせて、バローHDの関西強化戦略の要となるのが、中核事業である食品スーパー(SM)「バロー」の出店だ。バローは現在関西圏に10店舗を展開(※滋賀県を除く)。なかでも最大の市場が広がる大阪府での出店を昨今強化しており、都市部から郊外までさまざまな立地に進出している。
この大阪府内における最新店舗が、
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